台湾には道教の寺しかないのかとおもったら、そういうわけではない。ちゃんと台湾にも仏教の信仰はもちろん根付いており、台南にも立派な寺が存在しているのである。
そういう街の情報をタクシーのオッサンに聞くと「あるよ」とすぐ教えてくれた。台南には2箇所仏教の寺があり、1つはすごい小さくて誰も来ないような場所で、1つは大きな場所で、うちの会社の傍だと言っていた。ほぉ、そういうところがあるのかと、オッサンと話をして、最初に「誰も来ないようなところ」に行ってみることにする。
寺の名前は「台南法華寺」。建立されたのは意外に古く1684年であり、台湾では台湾国内に222箇所ある第三級古蹟の1つである。そして、台南では「
七寺八廟」と言われる寺のうちの1つに数えられているので、台南の人にとっては、そこそこ知られている場所ではあるようだ。
しかし、実際に法華寺があるところといったら、普通の民家が密集しているようなところに、ぽつんと、幼稚園でも併設しているようなさびしい感じで建っている。タクシーが停まったところも、これは裏道だろうというようなところに停まって、車が一台走ってしまったら、対向車は走れないんじゃないのか?というような道沿いにある。
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肩書きとしてはこの寺、まだある。仏教の寺は、日本でもだいたいたくさんの寺を集めて「霊場」とか「札所」とかというグループを作っていたりするのだが、なぜか台湾にもその流れがあるようで、台湾には仏教寺で形成される「台湾三十三観音霊場」というのがある。その第21番札所であるのがこの寺だ。それも調べてみると、この寺、宗派としては曹洞宗らしい。曹洞宗?それって日本の宗派なのでは?と思った。しかし、曹洞宗は日本独特の仏教宗派というわけではないらしい。中国にも曹洞宗の寺はもちろんあるようで、あの少林寺も曹洞宗である。
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この寺に鎮座されている仏様は、釈迦牟尼仏、薬師仏、阿弥陀仏の3体である。
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しかし、日本の仏様みたいに、仏像に対して魂を感じることがなんだか全くない。ほとんどお笑いのような顔をしているような仏様ばかりである。日本の仏師は本当に精魂込めて像を作るので、その像をみているだけでも、おぞましいエネルギーを感じることができるが、ここ台湾ではどこに行ってもお笑い顔をしているので、なんだか笑ってしまい、ご利益なんかあるんだろうか?と不思議になってしまうものばかりである。でも、これは文化の違いなのだから、ここはぐっと我慢して台湾式に従うことにしよう。
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台南法華寺
URL :
http://newculture.tncg.gov.tw/plan.php?id=36位置:臺南市中西區法華街100號
入場料:無料
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