2012/05/21

ベアトリクス女王(アムステルダム)


オランダの現在の元首はベアトリクス女王。オラニエ公から誕生した王家は、現在もオランダを王国としたまま存在している原動力になっている。そして、国民には絶大な人気がある女王でもあるのだが、悲しい歴史に揉まれている女王でもある。

女王がまだ皇女時代に結婚をされるのだが、その相手がドイツ人。オランダにとってドイツは第二次世界大戦のときに占領されたという苦い思い出があった歴史があり、そんな敵国みたいなところからやってきたやつを将来の女王の夫に迎えるなんて、国民をナメてる!と、まだ戦後間もない時期での出来事だったため、アムステルダムでは暴動が起きたというようなことがあったのである。その映像は、アムステルダムの歴史博物館にビデオライブラリとして観る事ができるし、その暴動の映像はどこの発展途上国で起こった事件なんだろうと目を疑ったものだ。

それでも今ではみんなの人気者であるベアトリクス女王は、なにかにつけてテレビ中継の中心にあり、どこに行ってもたくさんの人が沿道や周りを囲む光景をオランダに滞在している間には良く見かけた。

しかし、個人的にはオランダ人に悪いのだが、ベアトリクス女王の顔をドアップで画面に映すのはやめてもらえないだろうか。あの顔、美形とはとても思えない顔であり、どうみてもブルドックにしか見えないのだ。思ってはいけない失敬なことだとは思っていたのだが、一度そう思ってしまったらブルドック以外には見えないのである。

そんな女王はテレビ映像や写真を見ると、とてもオシャレな人なのである。どういうスタイリストが付いているのかしらないのだが、毎回決まって帽子を被っており、常に手には花束を持っており、毎回色は変わるけれど、だいたい似たような格好をしているのが見て取れる。しかし、顔はあの顔だ。ブルドックが一生懸命に顔に注目を当たらないように他のところに他人が眼を奪うように着こなしているとしか思えないような服の着方をしているのである。

日本では絶対にやったら不敬罪かなにかで捕まるんじゃないかと思われるのが、元首を冒涜するような看板の掲載。オランダは寛容のある国であるために、女王をモチーフにした看板があっても全然平気。むしろ、それだけ女王が身近にあるための現れと捉えられるくらいである。道路を歩いているときに、女王の顔を塗りたくって、テクノイベントの看板を使っているのを発見したが、その衝撃たるや、日本で似たようなことをやってみたいと思ったことと、シンガポールのリークワンユーの顔を使ってやってみたいと思ったのは黙っておきます。
ちなみに、次の王はまた女王であり、ベアトリクスの長女・カタリナ=アマリアである。

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