オランダはプロテスタントの国。しかし、かつてはオランダはカトリック国のスペインに支配されていた場所であり、王族がおらず、商人が力を持っていて市民が団結している国として成熟しようとしていた場所は、宗教的に異なることにより圧制を強いられていた。そんなスペイン支配から独立したいというのはオランダの念願であったが、なかなか強国スペインから小国が独立するのは難しいもの。そこでオランダ人はぐっと堪えて、時期を待っていたというのが歴史。
そんな歴史の中でプロテスタントは、カトリックが国教のなかでは、プロテスタントはどうしていたかというと、プロテスタントへの弾圧を恐れて隠れて生きていた。あれ?これはどこかで聞いたことがあるような話ではないか?そう、日本でも似たような歴史があり、キリスト教弾圧の時期である江戸時代は、長崎・大分あたりのキリシタンが幕府や大名に隠れて信仰していたカクレキリシタンというのがあったが、それと似ている。
教会としても表立ってプロテスタントのものを建てることができなかった時代に作られたのがこの「屋根裏部屋の教会(Ons' Lieve Heer op Solder)」という名前の博物館である。現在は教会というよりも博物館として一般公開されているところで、実は博物館として使われたのが結構昔から。それも1888年から教会として使っていないというから驚きだ。いったいプロテスタントの教会というのは、どういう信仰をしているのだろう?と本気に思うようになるのは、この教会がきっかけだが、それは後に記載する旧教会や西教会にいったときにもさらに思うようになる。
さて、教会の建物は表向きは、普通の軒を連ねる一般のビルというように見える。ステンドグラスがすばらしく、ファザードも素晴らしく、鐘搭があるというような教会ではない。ところが、中に入ってみてびっくりした。
中はシンプルながらちゃんとしたミサができるくらいの部屋があった。しかし、カトリックみたいに豪華な祭壇があったりするわけではない。正面に、いちおうキリストの像が飾っているだけのものだが、それだけで十分なのだろう。質素・倹約というのを宗教でも表現したものなのだろうと思う。そして、この部屋の雰囲気が、ベトナムのカオダイ教の寺院内みたいな感じがした。カオダイ教に関することは以前記載したことがあるので、こちらをごらんいただきたい。建物は3階建てになっており、上の階からこの部屋ものぞくことができる。
建物のほかのところは博物館だとはいっても、これと言って宗教儀式に使われたマントや杖のようなものがあったりするものはない。どこが博物館なんじゃいっ!と言いたくなるのだが、唯一博物館だとおもったのは、階上にある教会のオルガンだろうとおもう。いまでも奏でることができるのか不明だが、これが唯一の見所だと思う。
それにしても、入場料8ユーロっていうのは高くないか?たまたまこちらは Museum Kart を持っていたので別に無料で入ることができたが、ここをわざわざ金を払ってみたいとおもうかどうかは、どこまで建物に興味があるかとか、宗教的なものに興味があるかというくらいのひとしか入らないだろう。現に自分たちが入館していたあいだは、ほかにあまり観光客がいなかったのを付け加えておく。
屋根裏部屋の教会 (Ons' Lieve Heer op Solder)
URL : http://www.opsolder.nl/eng/home.php
Address : Oudezijds Voorburgwal 40, Amsterdam
Open : 10:00 ~ 17:00 (Mon - Sat)
13:00 ~ 17:00 (Sun/public holidays)
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