アムステルダムのような国際都市には、世界各地からなにかにつられてやってくるひとたちが多い。最初の目的を忘れてそのまま居ついちゃうようなひともこういう都市にも多いところだろう。アムステルダムに留まる人は、おそらくドラッグとセックスが第一の理由なんだろうとは思うのだが、そうじゃなくても留まる人はいることだろう。中国人なんか、なにかの理由をつけて本国を飛び出して外国に行き、糸より細い人間関係を伝にして、なにかしらそこで生活したいと考えているのが多い。現在は中国本土もそれなりに稼げる場所になったが、それでもいつ中国経済バブルがはじけるかわからないような状態になっているので、いまのうちに海外にトンヅラしてしまおうなんていうことを考えているのは多いはずだ。
2000年に初めてアムステルダムに来たときには、確かにそれなりに中国系の人が店を構えているというのは見受けられた。当時はインドネシア料理か中華料理くらいしかオランダでまともにご飯が食べられるようなところはなかったので、オランダって本当にご飯が不毛の地だなーとおもっていたので、中華料理屋をとても重宝にした記憶がある。しかし、状況は変わった。オランダもそれなりに世界各地の料理が食べられるようになったので、インドネシア料理か中華料理しかないというレッテルが外れてしまったのである。
となると、中華料理屋が一番儲かる手段ではなく、別の方法でアムステルダムで儲けるほかない。しかしながら、本籍国を脱出して異国の地で金を稼ぎたい人という人の流れは止められない。そんな状況のアムステルダムは、実は結構いろいろな場所で、中華料理屋ではなく、一般雑貨屋やホテルのレセプション、はたまた一般のレストランでの給仕として活躍している中国系の人たちを見かけることに気づく。
アムステルダムには固定したチャイナタウンと呼ばれる地域は存在しない。でも、ある地域は比較的中国系のひとが多くすんでいるという場所がある。旧教会の傍のエリアだ。このあたりは1階はレストランで2階より上の階をB&Bのホテルとして経営しているところが多い。だから、店としてもすごい怪しいところが多いのだが、こういうところが一番アムステルダムぽい感じがすると思う。レストランとして経営しているときには、それが中華料理なのか日本料理なのか、はたまたタイ料理なのかよくわかんない内容のものを提供しているときがある。しかし、全部ひっくるめて「アジア料理」としておけば、ヨーロッパ人なんか味音痴みたいなところがあるので、わかりやしないんだろう。
しかし、どこに行っても中国人はチャイナタウンを形成して、それなりに観光地になるようなコロニーを形成している。このような共同組合を形成するということは、きっとその中心人物として統制する中国人がいることなのであろう。その人が新たにやってきた中国人を仲間として迎え入れることができるし、中国人がトラブルを起こした場合には、その人が仲介になって問題を解決するように努めるからである。だから、パンという相互組合制度みたいなのができるわけだ。
今後はアムステルダムのチャイナタウンがどこまで大きくなるのか見守りたい。
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