2012/05/22

ウィレット=ホルトハイセン博物館(アムステルダム)


アムステルダムでは間口の大きさで税金が決まっていたために普通は細長く奥域を持つような建物が多い中、運河「Herengracht」沿いの家は、そんなけち臭いことは無視して、堂々たる門構えとその中庭を持つような家が連なっている場所である。その中でも特に有名なのは、ウィレット=ホルトハイセン博物館(Museum Willet-Holthuysen)というオランダが大海原に出て、世界中で商売をしまくって荒稼ぎをしていた人が作った建物である。建物の中に入ると、オランダの黄金時代に作られて銀食器や陶器、そして書物等が展示されているのがわかり、いまは一般解放されているのだが、このまま誰かが住んでもわからないんじゃないのか?というくらい整備された状態の博物館である。

商売人が商売で儲けた金を惜しまずに家につぎ込むというのは、東南アジアの華僑にも通じるところがあるのだが、ここは西洋文化の地域であるために、華僑の豪華さとはちょっと違って、商人が貴族のような生活を目指そうとしている表現したほうがいいくらい、現代人がこの博物館を訪れると、小規模の貴族の屋敷に入館してしまったのではないかという錯覚に陥る。でも、貴族みたいに、役にも立たないが存在していること自体がステータスのような金銀装飾の物品があるわけでもない。あくまでも商売人がちょっと金ができたので、普段の生活を豪華に見せたいというために装飾しているというものだから、どれもが使用するのを前提に作られているものだというのがわかる。家の構造から、家の装飾、そして身の回りの物品までが、使用するために作られたものだ。

一般的に使われていた家を一般開放しているために、リビングルームだけじゃなく台所のような裏方の世界も見ることができる。この台所を見ると、いかに金持ちだったからといっても、一般家庭の台所とは全く変わらないことがわかる。ちょっと広めの台所という感じだろうか?それはオランダはあまり料理に拘らない文化のところが影響しているのかどうかは不明だ。ラテンの国だったら、金儲けしたら、それを食を追求するために散在しても可笑しくないと思うし、旨いものを食べたいために名コックを世界から呼び込むということをするだろう。
書斎、そして応接室等の部屋は想像通り豪華なつくりになっており、壁の装飾から小物の展示までなかなか趣味がいい。一般の家だからだろうが、肖像画を壁に掲げているというのではなく、ポートレートを小さな額縁に入れて家族の分を飾っているというところが愛らしいではないか。

そして、この博物館はなんといっても中庭を見るべしだ。中庭といっても、四方を囲まれているというのではなく、3方向を建物で囲まれている形だ。そして1方向は、表通りに面しており、通りとは柵を介して接している位置になっている。したがって、表通りから柵越しに庭園のほうを見ることができる。庭園は幾何学模様に植木類が置かれており、ヴェルサイユの庭園のでも見られるような、小規模の迷路状態になるように設計されているところが面白い。ただ、一般家庭の庭園で表現しているので、やはり広さには限度があるが、建物2階から庭園をみたときの見事さは必見の価値がある。たぶん、庭園と同じ目線で庭園を見ると、いまいち自分が庭園の中の1つのオブジェとして埋もれてしまうために、庭園全体を把握することができないからだ。建物を見るときに、遠目から建物をみるのがよく、決して建物に入ってしまうとなにもわからないというのと同じだ。

ウィレット=ホルトハイセン博物館 Museum Willet-Holthuysen
URL : http://www.willetholthuysen.nl
Address : Herengracht 605
Phone : +31 20 5231 822
FAX :  +31 20 6207 789
E-mail:  info@amsterdammuseum.nl
Open : Monday to Friday: 10.00 - 17.00
       Weekends and national holidays: 11.00 - 17.00
       The museum is closed on 1 January, 30 April (Queens Day) and 25 December.
       閉館時間 5/4は14.00。 12/5, 12/24, 12/31は16.00
Admission Fare : EUR 8.00

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