2012/05/21

ダム広場の移動遊園地(アムステルダム)

 オランダの女王の日は国中をあげてお祭りの日である。その日に向けて、アムステルダムのダム広場はお祭り用に催しが行われるのだが、今年もまたすごかっ た。ダム広場は表通りの Nieuwezijds Voorburgwal からダム広場を見ると、王宮と新教会に挟まれたところから垣間見ることになるのだが、これがどの程度広いのかわからない。が、一歩、ダム広場が見えるとお りに入ると、いきなりドドーンと大観覧車が見えてきたのだ。
 普段、ダム広場には観覧車なんかが常設しているわけじゃない。いつこんなものを建てたのだろうというくらいの驚きである。しかし、実際に目の前に観覧車は 存在する。ということは、作ったわけだ。簡易的にここダム広場に観覧車を作ってしまうというのは、ヨーロッパでは実はよく見る光景である。いわゆる移動遊 園地だ。ミュンヘンにいったときにも、オクトーバーフェストの会場に、遊園地ができていて、それも結構な大規模のものだったので驚いたことがあったが、ま さしくいまダム広場で見ている光景もそのうちの1つだ。

大観覧車は良くみると、観覧車が1周する間の景色を楽しんで欲しいというものでは全然無い。観覧車の回転が観覧車の大きさの割にはめちゃくちゃ早いのであ る。目が廻ってしまうんじゃないのだろうか?というくらい早いのである。更に言うと、1周で終わるのではなく、何周もぐるぐるまわっているのだ。もっとい うと、一体、中に乗っているひとたちはいつになったら降りるんだろう?ということに気づく。しばらく観ていたのだが、全然降りる気配が無いのだ。

他にも目をやってみた。観覧車とは違う回転ものが2基あった。1つは上下に大回転するもの。舟の形をしたパイレーツをもっとコンパクトにして、高速大回転 しているものが1基。もう1つは平面高速回転をしているものだ。後者の方はどういうものかというのは想像も付くのだが、地上の平穏なところから前者を見て いると、これがめちゃくちゃ恐怖で一杯の乗り物のように見える。なぜなら、乗っているひとたちが最初からきゃぁきゃぁ言っているからだ。それも加速がどこ まで付いていくんだろうというくらいのもので、高所恐怖症の人はもちろんだめだが、高速回転恐怖症のひとなら、きっと乗り終わったあとにゲロ吐きまくりの 状態なるだろうと思う。回転軸の両方に乗るところがあるのだが、片側に客を乗せたあと、乗った側の席は、一度天辺まであがり、その状態で、もう片方の席に 人を乗せるというものだ。この高い場所で止っているという状態は、景色としては楽しいと思うのだが、いつ始まるのかわからない恐怖感というのがあるだろ う。


乗り物以外としては、ゲームセンタだったり、屋台がでたりと結構にぎやかだった。やっぱり世界のどこでも祭りは好かれるものだと思う。しかし、羽目を外して酔っ払っているとか、勢い余って他人に迷惑をかけているというようなひとは皆無だった。制服は着ていないのだが、私服警官が周りに対してにらみを利かせていることはよくわかったし、すぐばれるし。




祭りの女王の日が終わったとおもったら、観覧車からなにからなにまで全部次の日には撤収されていた。あんなににぎやかだったところが、なにもない巨大なスペースになっていたのを見たときに、これが祭りの後か・・・と思ったのは言うまでも無い。5月4日にはナチスドイツからの解放記念祝賀式典が行われるので、そのときには広場にはなにもあってはいけないし、雰囲気を色で表すと、女王の日までのときにはオレンジ色だが、それ以降解放祝賀式があるときまでを黒から灰色みたいな感じである。無機質であり、人間的ではない感じもする。

ダム広場は季節によっていろいろな顔を見せてくれる不思議な広場だ。

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