西教会はその名前のとおり、ダム広場から見ると西側に位置し、泊まっていたホテルよりも西側に存在する。傍に、アンネフランクの家跡があるために、このあたりはとても人が多かったりする。アンネフランクの家に並んで入ろうとする人ほどは、教会にはいないのだが、たぶん、アンネフランクの家に行ったついでに教会をみてみようと思う人は多いのだろう。
遠くから西教会を見ても目立つものは、なんと言っても尖塔(Westerntoren)であり、85メートルの高さは他に高い建物があまりないアムステルダムでは目だって仕方がないものだ。この尖塔は、上のほうに青色の王冠章が埋め込まれているような形をしている。これは神聖ローマ帝国皇帝マキシミリアンI世に敬意を表し、1638年に作られたものだ。一時期、レンブラントの生誕300年を記念して王冠の色は青から黄金色となったようなのだが、2006年にまた青色に戻した模様。この部分だけ、すごーく目立つものの、実は鐘楼の役目にもなっているので、時計と鐘の部分をみているのも楽しくなる。
この教会は旧教と新教が揉めに揉めた時期からは少し時代が後退したところで作られたものだから、旧教をベースに装飾や内部設計がされたものとは全く異なる純プロテスタント教会だ。「1620年から1631年にかけてアムステルダム市議会の依頼を受けて建築した」と書かれているので、ちょうどオランダ東インド会社の人たちが江戸幕府に商売させてくれーとやってきたころに作られている。いちばんオランダが華やかで金を湯水のように使っていた時期なのではないだろうか?
アムステルダムの多くの教会は、カトリック教会をそのまま搾取してプロテスタント教会として新しく使う形式が多かったのに、西教会は全くこれとは異なる。上記の通りであるため、何を教会内部に用意するべきかというのは、あとからだんだん付け加えられてきたようだ。どこの教会でも存在するパイプオルガンというのは、当初この教会には無かったようだ。
内部の様子はというと、カトリック教会と比べて一目瞭然で違うところがある。それは主祭壇がないということだ。いちおう正面というものは存在する。しかし、そこにはキリストの像もマリアの像もないのである。単なるちょっと豪華な集会場という感じがしてならないような教会なのである。実はオランダの教会はどこに行ってもこんな感じの教会しかない。いちおう教会内はあまり大きな声を出してはいけないというのはルール化されているのだが、それ以外、豪華で豪勢な装飾品で、視的感覚から教会ってすごいんだぞーというような圧倒するものはここからは何も感じない。同じキリスト教の宗派の1つなのに、ここまで違うとなんでかなー?という疑問だけがのこる。
さらに建物全体としては、旧約聖書の場面や新約聖書の場面というようなものもないし、肖像画みたいなものもない。もちろん彫像なんかもないし、一体キリスト教って言うのはなんなのか?というものを全く見せないようにしているとしか思えない感じがする。偶像崇拝を禁止しているユダヤのシナゴークや、イスラム教のモスクのようにも思えなくも無い。こんなところで実際にミサを行う際にはどういう形式で行うのだろう?とちょっと観てみたい気もした。それに、あちこちで説教台もどきみたいなのがあるし、椅子はあっちこっちを向いているし、もう教会としてあんまり体をなしていないんじゃないのか?問い気もする。あっさりしているのは、東南アジアのキリスト教会にも似ている。
だいたい、教会には司教かその下に神父がいるはずなのだが、この教会にはそれらしき人がいないように見受けられた。専任の神父がいるんじゃなくて、もしかして、通常はリーマンをしていて、何かあったときに神父になるという、日本のどっかの僧侶みたいなことをやっているんだろうか?
西教会(Westercafe)
URL : http://www.westerkerk.nl/
Open : 11:00 - 15:00 (日曜日を除く)
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