2012/05/22

レンブラントの家(アムステルダム)

 
 オランダを代表とする偉大なる画家・レンブラントが作品制作のために住んでいて、いまでは美術館に展示されていないものを多く展示しているのが「レンブラントの家」(正式名はレンブラントハイス美術館、Museum Het Rembrandthuis)である。生まれがここだというのではなく、あくまでも製作スタジオのために住んでいたというものだ。

教会や貴族といった他の地域ではパトロンとなるような人たちがいなかったオランダでその名声を高くしたのは、オランダで商売をやっていた人たちによる支援だった。そして、それら商売人が好むような絵を写真のようなタッチで描いてみせ、デフォルメもせず、写実的に描くことを求められたのだと思う。

中に入ると、まず「カメラ撮影禁止!」と思いっきりいわれてしまう。一切合切のカメラ撮影は禁止なのである。じゃ、それに伴い、館内に展示されている作品が写真つきで紹介している冊子でもあるのかというと、そんなものも売ってない。だから、あとで、この美術館にはなにがあったか?と思い出そうとしてもなかなか難しいと思う。しかし、実際に入館したあと、チケットを買ってしまえば、特に監視の人たちが歩き回っているということはないので、写真撮影してもいいんじゃないのかという気がする。他の観光客もじゃんじゃんフラッシュも使って撮影をしていたからだ。

エッチングで作品を作っているところなんかは、最終的には版画みたいに、強力な形を介添えにして、作品はこうやって作られていたんです!と技術の勉強になるようなエリアもあったりする。

スタジオとして機能していたこの家の様子を知るためには、どういう作品を作っていたのかというのを知らないといけないのと、作品ではなく生活の場としても使っていたという面からも見ていかないといけない。だから、この建物に入った場合には、レンブラントの作品がどれだけ飾っているのかというものよりも、作品を作るためにどういう環境でこれができたのかというのを観たいとおもっていったほうがいい。特に作品を作っていたアトリエには胸像やら作りかけの作品やら、実物のものかどうかはわからないが、雰囲気だけはわかるようになっているところは必見だ。生活環境としても使っていたために、寝食をともにしていた弟子たちとどこの部屋でどう過ごしていたのかを想像すると楽しいと思われる。

建物入り口は、とぼけた顔をしている自画像が掲げられたところで、近代的な入り口になってしまっているために、17世紀に活躍したひとがそのまま残っていたという環境の変化には耐えられない。むしろ、人が結構入っていくので、ここは普通の家じゃないんだね?くらいしかわからないところだ。

レンブラントの家 (Museum Het Rembrandthuis)
URL : http://www.rembrandthuis.nl/index.php?item=0&lang=en
Address : Jodenbreestraat 4, 1011 NK Amsterdam
Phone : +31 20 520 0400
E-mail: museum@rembrandthuis.nl
Open : 10:00 - 17:00
Fare : EUR 10.00

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