2012/05/21

アムステルダムの繁華街

アムステルダムの一番の繁華街は、いちおうある。王宮前にあるダム広場から南に下るカルファー通り(Kalverstraat)とカルファー通りがムント広場(Muntplein)で一度終わって、その先レンブラント広場のほうにつづくRegulier Breestraat)だろうと思う。この2つの通り沿いは、通りの両岸はどちらもたくさんの店が連なっており、冷やかし半分の人、店に入らずウィンドウショッピングをしている人、もちろん買い物をとっている人と、結構人込みが絶えないところである。

両側が店で決まった店ばかりが集まっているわけじゃないから、オランダで人気があるものはなにかという市場調査をするという意味では一番分かりやすいところなのかもしれない。ただ、オランダは国土が小さいといえども、そこそこ地域ごとに個性があるような国なのでアムステルダムのことがオランダを全部象徴しているかというと、実はそうでもない。それでも、世界規模でオランダを見る際には、アムステルダムでの流行りモノをひとつの物差しとしてみるのは問題ないだろうと思う。

決して、シンガポールみたいにブランド物の店ばかりを集めて、人寄せを試みているというようなとても文化程度の低いような場所ではアムステルダムは違う。オランダ特有の商業製品もあるし、オランダのファーストフードもあるし、オランダ特産の店がここには連なっているのである。むしろ、イタリアやフランスのブランド物のショップはここには店舗を構えるなといわんばかりの拒否感はある。その拒否感は、通りがブランドのイメージにそぐわないというのではなく、むしろ逆で、ブランドが通りのイメージにあわないからという感じさえ思える。ブランドはその1店舗だけで文化形成できるような力はあるのだが、世界のどこに行っても同じような文化になってしまい、どこにいってもチャイナタウンがあって、どこのチャイナタウンも似たようなものと思われるのと全く同じイメージが固定してしまうからだろう。それより、オランダ特有の店が軒を並べているということによって、集団的なオランダ文化が形成され、町なみが形成されていることになるため、どれかひとつでも欠けることにより崩壊に危険性はあったりするところが、微妙なバランスの上に成り立っているアムステルダムの土地と同じような位置づけで面白い、と、子の通りを歩いているときに思った。

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