この記念碑は、若くしてなくなったヴィクトリア女王の旦那であるアルバート公爵を弔うために作られたもので、彼の死後10年後に当時のお金で12万ポンド(現在の価格で1000万ポンド)かけて女王の命令で建てられた物である。ヴィクトリア女王の時代というのは、イギリスが一番好調だったときだと思うし、世界で負けなしの全戦全勝だったわけだし、イギリスが世界を引っ張ると言っても過言でも無い時代だったから、いくら金をかけても痛くも痒くもなかった時代である。それも女王の鶴の一声で作ったのだろうから、国民および貴族はハハァーと従わざるを得なかったのだろうと思う。
記念碑自体はゴシック調にできあがっているので、一瞬、めちゃくちゃ古い感じがすると思われがちだが、それはイギリスの建築ブームがこの時にはゴシック調だっただけのこと。あまり気にする必要は無い。台座のようなところには、アルバート公爵が鎮座しており、それは真っ直ぐ前を見るような形でいる。それよりも気になったのは、台座のところの4角にある像と、台座を囲むように小さい塀があるのだが、それの4角に置かれている石像が気になった。
まずは外壁のところにある4体の像は、イギリスが世界の海を股にかけて、征服しまくった各地域を代表とするものだ。アジア、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパの4つである。アジアは分かりやすい、象とインド人と中国人の像。アフリカは、ラクダにアラブ人にエジプト文明時代のファラオ。アメリカは、インディアンとインディオ。ヨーロッパは、我らが牛にまたがったヴィクトリア女王をトップに女神を配置と一番つまらない。しかし、なんで牛に乗っているのだ!?
そして、内側の台座に近いところにあるのは、イギリスが家内制手工業からいち早く工業化したことを象徴するようなものがある。農業、商業、工業、技術の4種類だ。この4本柱をいち早く推し進めたから、このときのイギリスの繁栄があるのだと主張するかのように台座に設置しているのが面白い。しかし、そんなヴィクトリア女王の思いとは裏腹に、現代人にとっては、この記念碑は単なる像でしかなく、いつも人が少ない場所として扱われるようだ。
このあたりにやってくるひとたちの多くはケンジントンガーデンズのほうに用があるものだと思う。この公園、実はハイドパークから繋がっているだけの公園なのだが、どうやら東半分がハイドパーク、そして西半分がケンジントンガーデンズと言われている模様。この公園自体はとても広く、散歩するにはもってこいの場所だ。ちょうど街中にのあるし、大きいし、人が結構来るし、東京で言うと代々木公園のようなところなのではないだろうか?じゃぁ、この公園にはなにがあるのかというと、これと言った目だったものは無い。
整備された白樺らしき木々の林と、広大な芝生と、鳥類がたくさん住んでいる大きな池があるだけなのだ。それだけ人工的なのだが、自然が揃っていると、やはり散歩したくなるのが疲れた都会人には必要なのかもしれない。もちろんこの公園の端っこには、別に記載したいと思うが、ケンジントン宮殿が存在する。
そういえば、ケンジントン宮殿のところでリスがいた。というか、めちゃくちゃたくさんいた。普通にちょろちょろと森から出てくるので、一瞬ビックリするのだが、リスも餌をくれるのかなと思って、実は人間に近づいてくるようなのだ。どうしてここの公園にいる動物はこうも人間になついているんだろうか?
ケンジントンガーデンズ(Kensington Gardes)
URL : http://www.royalparks.org.uk/parks/kensington-gardens
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