2013/09/23

ロンドン塔

ロンドン塔はロンドンの名所・旧跡の中でも古い部類に入る史蹟である。そして、意外に内部をじっくり見ようとするとかなりの時間がかかるところである。地下鉄タワーヒルズ(Tower Hills)駅を降りてテムズ川のほうにいくと、もう目の前がロンドン塔(Tower of London)のエリアが見えてくる。駅を降りてすぐ見える光景は、巨大な塀と壕で囲まれた城跡のようにも見えなくも無い。とは言っても、壕のところは、皇居の壕のように水が張っているわけではなく芝生になっているだけ。
 
しかし、このロンドン塔、実際に訪問する前に基礎知識としてイギリスの皇室の歴史をしっていたほうがずっと面白くなる。なにしろ、ロンドン党は皇族に関する処刑と殺害のメッカみたいなところだからだ。誰がどこでどんな殺されかたをしたかという豆知識を知った上で廻ると、余計おもしろさが増すだろう。その手の情報に付いては、ガイドを含めた各種のメディアに記載がされているので、そちらにお任せしたいところだ。きっと、「あぁ、ここがあの人が死んだところかぁ」というのもよくわかると思う。ヨーマン・ウォーダー(Yeoman Warder)と言われる赤色と黒の上着を着ている、中世風の人がガイドなのだが、このガイドが定期的に無料で説明して廻ってくれるので、案内看板と時間が明示されているあたりに、説明を聞きたい人は待っているといいだろう。おもしろおかしく説明してくれる。このヨーマン・ウォーダーになれる人は、英国陸海空軍の退役准尉が推薦されてなることができる。
 
ロンドン塔の一番外側に城壁というのは、実は登ることができて、全体から内部の様子を見ることができる。その城壁に上って歩いていくと、途中にいくつものタワーに出くわすことになる。そのひとつひとつのタワーには、展示物が設置されているのだが、それをいちいち全部じっくり見て廻っていると、城壁だけでかるく2時間は経過することになるだろう。城壁だけじゃなく、見るべきものは実は内部の敷地のほうなので、城壁のほうは適当に廻って、早速内部において、いろいろな建物に入って鑑賞したほうがいい。
 
 
 
 
 
 
建物の多くは、内部での撮影は禁止。禁止だけど写真撮影するようなバカが結構いるのかとおもっていたが、意外とロンドンを訪問する観光客というのは、ルールを守る人が多いのか、あまりカメラで撮っている人はいなかったのが不思議だ。とはいっても、たまに操作ミスなのか、黙って撮ろうとしているが、フラッシュを焚いてしまって「No Photo!」と係員にめちゃくちゃ怒られているひともたまには見かけた。あれが北朝鮮だったら、きっとカメラごと没収され、そのままぶっ壊されることになるだろう。
 

 
 
歴代の国王が戴冠した王冠を展示している博物館は絶対に行くべき。薄暗いところに展示しているのだが、その手前で、現女王であるエリザベス2世の戴冠式の様子をビデオ映像としてエンドレスで流しており、そのときがイギリスでのテレビ生放送中継だったようなので、鮮明に録画として残されているようだ。イギリスの国王の戴冠式というのがどういうもので進んでいくのかというのはこの映像を観るとよくわかる、その中で利用された王冠というのがここでは展示されているのだ。が、なんと王冠は、動く歩道上で観覧者がみるようになっているため、じっとショーケースの前に立って眺めるということはできないようになっている。もちろん、暗いところだし、本人は動いているし、隠しカメラで撮影をするということも実は難しいだろう。しかし、いいところもある。なにしろ、動く歩道に乗って王冠を正面から見ることはできても、満足いくほど見ていないというのであれば、また戻って同じ動く歩道を乗って再度見るということもできるのだ。そのときに、王冠の裏を通って見て廻ることができるので、そのときだけはショーケースの前で立ち止まってみることは可能だ。
牢屋として使われていた時代が300年くらいあったので、そのため、牢屋と拷問部屋というのも残されている。欧州人の拷問は人間の考えられるものを全部使って行っているといいほどのものなので、結構グロい方式も展示されているのだが、観覧者においても結構面白半分で見ている人たちも多いために、意外と混んでいる。その拷問がどれだけ役に立っているのか、真実の情報を仕入れることができる手段として使われたのかという運用については全く説明にはない。どのように拷問を行ったという情報だけは展示されている。
 
なお、このロンドン塔に行く前には、夏目漱石もここを訪問して倫敦塔という作品を残している。その当時から現在の様子もほぼ同じ状態で残っており、当時夏目漱石が見たときの情報を想像することも可能だ。だから、青空文庫にもなっている「倫敦塔」を事前に呼んでおくことをお勧めしたい。ロンドンの各箇所を無料で観られるLondon Passを持っていれば、チケットを買わずに中に入ることが出来る。なにしろ、ここの拝観料は21.45ポンドもするんだから、まともに払ったら高いわ。それにチケットを買うために並ぶのも、長蛇すぎて呆れる。

Tower of London
URL : http://www.hrp.org.uk/TowerOfLondon/
Fare : £21.45
Open : 09:00 - 17:00 (火曜から土曜日)
    10:00 - 17:00(日曜日と月曜日)

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