2013/09/26

ロイヤルミューズ(ロンドン)

本当はバッキンガム宮殿に行こうと思ったら、事前予約制での入館になっており、その予約がなければ入れないということらしく、事前に予約をしたのにも関わらず、確認の連絡が返って来なかったために、「確認証がないからダメ」と入館を拒否された。それでショボーんとなっていたときに、唯一いけることができたのは、バッキンガム宮殿の展覧シリーズのなかでロイヤル・ミューズ(The Royal Mews)という王室の馬車ばかりを展示しているところに行ってみることにした。

こちらの馬車はもちろんイギリス王室が使う馬車を展示しているもの。どれもこれも現役として利用しているものばかりであり、その手入れは完璧なほど磨きあがっている。馬車は良く観ると、1台ずつ、それぞれ個性があるつくりになっており、形もそうだし、色使いや装飾についても全く違う。だから、動く芸術品だとも言えよう。さらにいうと、個人によって違う車を乗るのと同じように、馬車も乗る人によって異なるし、何に使うかということによって馬車を変えるということも当然だろう。それは現代の世界になると、遊び用と会社用で車を変えたり、子供とどこかいくときと、1人で遊びにいくときとで変えたりというような人もいるんだと思う。まぁ、そんな金持ちのようなセレブ生活ができるほど資金があればの話だが。
 
しかし、ここの博物館は馬車ばかりを置いているわけじゃない。馬車は近衛兵が引導することになっている。ということは、近衛兵団が普段警護をしているときに使われる、各種の道具や武器もここには当然のごとく用意されているというものだ。その展示があまりにも多すぎて、それは本当に使われているものなのか?というくらい疑問になるものだった。ところが、これが実はちゃんと利用されている。エリザベス女王が馬車で移動することは結構頻繁にあるわけで、そのたびに引導する兵隊は動く。となると、馬車1台のために何十人もの人間が動くことになることになるから、実際に出番として用意されているわけである。

 
圧巻なのは一番奥のところに用意されているのだが、金色の実際に毎年使われている馬車だ。模型として、先導する騎馬隊のあとに馬車がつながれているという状態なので、実際に道路を走っている様子はそれから想像できるものだろうと思う。これは細部までよーく観察して、馬車の技術というものを知ったほうが良いかもしれない。馬車は実は後ろでブレーキ役の人が乗っており、その人が馬車の速度を調節している。前に乗っている人は、もちろん馬車を引っ張る馬を操作する人であるのはいうまでもない。
 
 
 
そして、その馬車を引っ張る馬も実際にこちらにはいる。カメラ撮影するのは嫌うようで、なかなか写真に納まるチャンスがないのだが、まぁ、それはコンクラベだろう。
 
でも、正直、さきにリスボンにある馬車博物館を見てしまったあとに、このロンドンの馬車博物館をみてしまったのでは、こちらロンドンのほうが陳腐な感じがする。なにしろ、リスボンのほうが大規模で、それも昔からの歴史ある馬車がたくさん並んでいたからである。数も貴重さも全然リスボンのほうが良い。違いは、現役がまだあるかないかということだろう。なにしろ、ポルトガルは王制を廃止してしまったので、馬車を日頃から使う人が居ない。ところが、イギリスは王室がまだあり、王家に属する人たちが馬車を日頃から使うから、活躍の場がまだまだあるわけだ。

これだけ車の時代になったとしても馬車はとても人気があるのりもの。観光地でも馬車で廻るというのを観光客には今でも人気だ。自分が貴族になった気分が味わえるからかもしれない。

ロイヤル・ミューズ(The Royal Mews, Buckingham Palace)
URL : http://www.royalcollection.org.uk/visit/royalmews
Open : 10:00 - 17:00
Admission Fare : £8.75(オーディオガイドつき)

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