王宮の目の前にあり、いつも王宮を見守っている形で立っているのがアルムデーナ大聖堂(Santa María la Real de La Almudena)である。アルムデーナという意味がわからないのだが、これはなんらかの聖人から引用しているのだろう。まったくこのあたりの知識がないので、大聖堂に来てもまったく意味ないのかな。
王宮から見える姿が正面なのかと思っていたのだが、実はこちらが裏側。表側は道路に面しているところなのだが、どうみても、こっちのほうが地味にしか見えない。裏側のほうから王宮を見るときには、国王が民衆を見下ろすように、大聖堂から王宮を見下ろすようなことができるというのが、なんとなく爽快な気分になる。王宮は、大きいのだが、それをほぼ全体の大きさを上から眺めることもできるのだが、さらに豆粒みたいな人間を見ると、その王宮の大きさもわかることだ。さらに王宮が見えるエリアから、王宮以外のところを見るのも、なかなか良い景色である。さらに大聖堂の上のほうに上がってみる。螺旋状になっている階段をどんどん上っていこう。どこまでも続くように感じられる階段なのであるが、たまに向きが変わって階段にもメリハリがつくときもあるので、それも気にせず上って行きたい。しかし、途中で疲れてしまう人も居るだろう。そういう観光客・信者のために、この大聖堂にはエレベータのサービスも実は付いている。くたびれたらこれを使っちゃおう。
一番上に上ると、展望台になっているエリアに到着する。そこから飛び降り自殺ができないように、高い壁で外部と仕切られている。そして特徴的なのは12対の聖人の石像がこの展望台の高いところに掲げられていることだろう。1体ずつ聖人の名前が書かれているので、どういう聖人なのかというのは誰でも分かる。
さて、大聖堂のなかの聖堂の部分に行ってみることにする。
大聖堂は天井が高く、聖堂の奥の祭壇がある場所までいくと、少し面白い建築様式に出くわす。祭壇を半円状に囲むように大理石の柱が立っているのはよく見られる光景であるのだが、その上には金をふんだんに使ったキリストとその聖人たちの偉業を描いた壁画が見られる。それがステンドグラスと対になって掲げられているのがいい。また、屋上をみると、イスラム教の名残があるのか、アイヌや南米あたりで見られるモザイク系統で埋め尽くされた天井画になっているのが分かる。それも1つ1つが全然違う模様になっているのが面白い。どうしてこんな模様を採用するようになったのだろうか?たぶん、もとイスラム勢力がこの地に居たときに建てられた城塞を利用してこの大聖堂が建てられたためなのだと思うが、その名残なのだろう。イスラム文化のほうが当時としては、デザイン力として素晴らしい技術を持っていた証拠である。祭壇を正面に見て右側に行くと、ひと際目立つ階段と木枠の礼拝堂が見られる。全体的に日が当たらなく暗い感じの大聖堂の中でも、この礼拝堂のところだけが異様に明るいので、光を求めて集まってくる虫のように、この大聖堂に来ている人たちの大半がこの礼拝堂のところにやって来る。階段状の上には豪華な装飾と銀で作られた天使像が存在する。これ、遠目で見るとよくわかるのだが、階段を上ってしまうと、あまりにも近すぎるので、全体の雰囲気と構図がまったくわからなくなる。特定の展示物のところだけをアップで見るという意味では、階段を上ってみればいいのだが、全体の雰囲気を見たいなら上らないほうが良い。同じようなことを考えて、下からずっと見ている人も結構実は居た。それにしても、キリストとその師匠であるヨハネの像があるのだが、ヨハネの頭に金色の輪が、三角形になっているのはなぜなんだろう?アルムデーナ大聖堂 (Catedral de Nuestra Senora de la Almudena)
Open : 9:00~20:30
Admission fee : もちろん無料
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