オリーブオイルをたくさん買ったため、重いから、さっさとホテルに戻ろうと思っていたのだが、広い大通りであるコロンブス通りを通るのは、前日に歩いたので、それでは芸が無いと思い、裏通りをてくてく歩いていた。脳みそが溶けそうなくらいの日射だったこともあるので、日陰がありそうな裏通りのほうが涼しいと思ったからである。
そんなときに、妙に広場が広くて立派そうな教会を発見した。実はここがメルセ教会(La Merce)といって、バルセロナの祭りになっている起源の教会である。中に入ってみると、いたって普通の教会の様子だった。正面にある祭壇には、小さいキリスト像を抱くマリアの人形像が掲げられているのが見える。そして、その上には十字架を背負うマリアまたはそれ相当の聖人なのだろうと思う。たまたま、本当にたまたまなのだが、ちょうどお昼過ぎくらいにこの教会に到着したときに、なぜか教会の上の方にいける階段の入口を形成する扉が開いていた。たぶん、普通のときには入れないことと、信者じゃないと入れないとおもういのだが、なぜかドサクサ紛れにその階段のほうに上ってみた。自分達が上りはじめて、すぐに扉が閉まり、鍵が締められてしまった。つまり、その階段に上れるのは、今日は終わりということである。
階段を上ったら何が見えるかというと、祭壇のちょうど真上に掲げられている小さいキリストを抱くマリアの像を、間近で見られる場所へいけるための階段なのである。実は、バルセロナでメルセ祭りが開催されている期間だけ、このマリア像の間近にいけるということなのだそうだ。それも昼間だけの2時間だけ。だから、超偶然のときにこの教会に出くわしたことなのである。なにか運命的なものを感じてしまった。
階段に上る際には、みんなゆっくりとマリア像を眺めるために、なかなか進まない。別に気にしない。時間は腐るほどたくさんあるのだから、のんびり行こうではないか。その間は階段と狭い空間内を構成するところに掲示されている、キリスト関係の絵画や表に出てこないたくさんの像を眺めておけばいい。これだけでも結構見ごたえがあるところだ。しかし、実際に間近でマリア像を見ると、あまりにも近すぎるために、マリア像の肌の様子は見えても、全体の構図を見るにはちょっと見難い。やっぱり下に降りて、像を全体的に見れるほうが良いだろうとおもう。
でも、さっきからマリア、マリアと書いているのだが、これマリアなのだろうか?教会の名前が「メルセ」なのに。だいたいメルセって一体なんなんだろう?よくわからない。誰か詳しいことを知っている人は教えていただきたいと思う。
外にもう一度出てみると、屋根の上にはさきほど教会の中でみた、小さいキリストを持った女神像の銅像がちょうどあった。
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