バルセロナに到着したあと、乗り継ぎ便が出発するまでの時間は、今回3時間程度もあることはわかっていた。到着後にヨーロッパ入国審査で時間はかかるとしても、それでも長時間を空港で過ごさないといけないことと、ちゃんと寝られるのかどうかわからない夜間飛行のあとの到着であれば、どこかでのんびりできるようなスペースを確保したいなとおもっていた。そういう意味では、ラウンジを使うのが一番の手段である。しかし、通常ラウンジを使うというのは、ビジネスクラス以上のランクの席に座れる金持ちな人たちばかりのステータス味わいゾーンだというのが通例だと思う。
ところが今回スペイン国内の移動手段として選択したスパンエアだと、追加料金25ユーロを払っただけで1往復分(2回)のラウンジ利用ができることがわかったので、航空券を購入する際にもちろん選択した。通常の旅行代理店を経由して航空券を購入した場合は、このラウンジオプションを購入することはできない。最近増えてきた航空会社直轄のウェブサイトから直接航空券を購入すれば、激安であり、かつオプションとして特権も受けられる。もちろん、スパンエアー自体がスターアライアンスに属しているので、Gold member であればラウンジが使える特権は得られるが、そんなフライト修行僧みたいな生活はしないので、まだまだゴールドにはなりえない。だとすると、このようなキャンペーンみたいなときに使わない手はない。
バルセロナの空港におけるスパンエアー並びにスターアライアンスのラウンジはコンコースCの方向にある。空港の施設案内にはなぜか載っておらず、空港案内員に聞いてみてはじめて場所がわかった。ただ、そのとき、案内員も面倒くさそうに「あっちよ」と言っていたのが気に食わない。なんで知らないの?というような顔つきだ。知らないものは知らないのだ。客をナメているなー、まるで中国みたいだ。
ラウンジの看板があるところを昇っていくと、スターアライアンスのゴールドメンバーと特殊のお客さんのみいらっしゃいという雰囲気がむんむんのラウンジが出迎える。持っている搭乗券には、ラウンジが使えますというようなことがどこにも書いていないのだが、Eチケット上には、自分達が払った明細と予約クラスが記載されている。よくわからないので、Eチケットを提示してみたところ「ラウンジは使えない」と言われてしまった。それで、「予約をしたときにラウンジが使えるオプションにもチェックを入れて、予約したのに、なぜ利用できないんですか?」とラウンジの入口にいる人に聞いてみた。「お客さんの持っているクラスは、格安のチケットであるために、権利はありません」と言われる。ここで育ちの悪さが出てきてしまうのだが「あぁ?なんですって?んなわけないでしょう。こっちは金払っているんだし、そのためにスパンエアーを選んでいるんだから、予約クラスで権利が無いっていうんじゃなくて、確認しないでものを言っているんじゃないよ」といってしまった。ついでに言うと「予約番号もここのEチケットの写しがあるということは、予約状況がネットで見られるわけだから、それで確認すればいいでしょう?」と付け足す。さらに、「予約の証拠のためにそこのネット使って良いですよね?」と伝えると、なにやら一般客が使えるネット端末の設定をしたのだが、ログインパスワードをその係員がわからなかったらしく、不手際の悪さが目につく。最終的には、航空券の予約システムであるアマデウスで何やらパチパチと確認したようで、そうしたら、そこにはラウンジ利用のビットが立っていたらしく、「すみません、お客さまはご利用できることが確認できました。マドリードからバルセロナ分についても係員がわかるように設定しておきます」とのリプライ。最初からやれば一方的に拒否するんじゃなくて、確認すれば良いのにと思う。確かにシンガポールから乗り換えてきた客であるので、見た目がビジネスマンでもなければ、夜間飛行のためによれよれの状態だったので、こんな風貌悪いのがラウンジなんか使えるわけが無いと見た目で判断されたんだろう。
追加の情報といえば、マドリードからバルセロナの便においては、チケットに「VIP」のマークが付けられていたので、これはきっとラウンジ利用のことなのだろう。マドリードのラウンジではあっさり航空券を見せたら、「どうぞー」とスマイル100%で対応してくれた。
さて、バルセロナ空港にあるスパンエアーのラウンジの中は、実は結構広い。アルコールもノンアルコールも豊富にあるので、空港内で何か飲み物を買う必要はここではない。さらにいうと軽食も結構あるので、菓子パンみたいなものかクロワッサン程度ならここでは食べられる。ホテルの朝食に出てくるようなサラダとか肉とか、そういうガッツリ食べられますというようなものはここでは提供されない。あくまでもラウンジであって、レストランではないということなのだ。大抵の人は、乗るまでのちょっとした間の休憩場として使っているのだろうが、自分達みたいに3時間も搭乗時間までにあるような場合には、ここは休憩プラス睡眠という意味もあるかもしれない。ただ、ラウンジ利用に馴れていないために、どうしてもラウンジのなかで思い存分食べてしまおうとか、飲んでしまおうとか、設備を全部使ってしまおうとか、そういうやりたがりをしてしまうのは貧乏性かもしれない。下界には一般旅行者を眺められるような場所に存在するので、なぜかここのラウンジにいるとちょっと貴族的な気分に慣れるのは不思議だ。なぜならちょうど眼下にもカフェがあったのだが、そこでは狭苦しいエリアに人がごった返している状態。こちらはひとりのスペースがめちゃめちゃ広く、のんびりできるし、無料だし、好き勝手に持ってこれるし、ビール・シャンパン・ワインと飲み放題で3時間もいたので、追加25ユーロ分の元は取ったかもしれない。ミネラルウォータも、既にX線ゲートを通ったあとなので、ここでごっそり仕入れて、そのままマドリードに行ったときに、持ち歩く水としていくのも良し。どっかのビジネスマンは、ラウンジから出て行くときに、ビール瓶をそのまま持って行ってた。あれはいいのだろうか、ちょっとマナー違反だと思う。幸いアジア人は自分達くらいしかいなかったのだが、あれが行儀の悪い中国人観光客だったら、きっと無料でもらえるものだったら、ポケットいっぱいにつめて持って買えるということをするんだろうと思う。あの人たち下品だから。ラウンジには有線のネットに接続できる環境があるので、ネットを観ながら時間を潰すというネットジャンキーには問題ないかもしれない。あと無線LANも使えるが、これは利用する際にラウンジ入口のところで、IDとパスワードを聞こう。暗号は掛っていないが、パスワード管理をされているので、普通の人はアクセスできないようになっている。最初、ここで時間つぶしに「バルセロナなう」みたいなことを Twitter でアクセスしようかと思ったが、そんな詰まんないことをするより、純粋にラウンジを楽しもうと思ったのでネット接続をしなかった。3時間以上もあるような待ち時間なので、いくらラウンジといえども、そのうち飽きるだろうとおもったし、ラウンジで時間までちょっと寝ていようと思っていた。もちろん、周りの客の中で、ラウンジで寝ている人もいたことはいたのだが、ほとんど客がラウンジ滞在時間が短かったみたいである。飽きもせずに、半分昼ごはんを兼ねている様な馬鹿食いもしてしまったし、飲んだ暮れになってしまったし、寝もしなかった。でも、ここで事前チェックをしそこなっているマドリードの情報を事前に読み込んだのはいい時間の使い方だと思う。ラウンジ最高。
1 件のコメント:
スパンエアーが経営破たんしたことによって、バルセロナやマドリードにあるラウンジはどうなるんでしょうねー。経営母体はその国のスターアライアンスの航空会社でしょー?
一層のこと、ヨーロッパの航空会社は全部ルフトハンザが買い取っちゃえばいいのに。
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