2010/09/29

メソン・デル・チャンピニョン(Madrid)

世界最古のボティンに入れなかったので、その日の晩御飯をどこで食べようかと迷ってしまう。迷ったとしてもいま居る場所は通称「居酒屋通り」であるために、ここに来ればなにか食えるだろうというのは想像できる。地元のマドリードのひとたちもわんさかやってくるのがサン・ミゲル通り(Cava de San Miguel)なのである。

いくつか並んで存在するバール風の店のうちに選んだのは、マッシュルーム専門の店であるメゾン・デル・チャンピニョン(Meson del Champinon)だ。一番、ボティンに近いからだったというのもあるかもしれない。入口を入ると、すぐ隣でマッシュルームを使った料理を作っている厨房が見える。
しかし、店内に入ってみて驚いた。客のほとんどが日本人である。それも日本のガイドを持ってきている日本人ばかりだ。スペイン人も他の外国人も全然居ない。数組の日本人が来ていたのだが、自分達のあとも何組も日本人がやってきた。たぶん最初からここに来るつもりではなく、他のレストランで追い出しを喰らって、仕方なくここにきたという感じなのだろうと思う。なぜなら、この店はたらふく飲んで食ってという場所ではなく、ちょっと摘んで、ちょっとほろ酔いになるような場所であるからだ。がっつり食べる場所ではないところに、腰を最初から落ち着けて夕食にしようなんていう人は居ないだろう。
それと狭い店内なのに、なぜか引き渡りのピアノと歌っているおっさんが居た。選曲がスペイン風の曲ばかりなら楽しいと思うのだが、これがなぜか日本の演歌を歌っている。日本人がたくさん来ているから、本人にとっては日本人に対するサービスで行っているんだろうが、全く旅の気分をぶっ壊されたような感じだった。さらにおまけに1曲ごとにチップを各テーブルに要求してくるし、面倒くさいからチップは払わない。完全無視。

さらに後ろのテーブルに座っていた日本人は、女性2人に現地に住んでいるおっさん日本人の3人組だったのが、どうやら個別ガイドとしてこのおっさんを雇ってここに来ているようである。それにしても連れてきたところがこんな安物居酒屋というのは、女性2人にとってはどういう思いだったのだろうか?おっさんも、自慢げにこの居酒屋に「日本人のお客さんを結構連れてくるよー」と話していたのを背中越しで聞いていたのだが、良いことなのか良くないことなのか、個人的にはよくわからない。

さて、ここで食べたものは次の軽い食事である。

・Champinon : 6.20 Euro
・Croquetas de Jamon : 7.00 Euro
・Cruzcampo Bier : 2.50 Euroまずは店の名物になっているマッシュルームなのだが、これは、きのこというより、名前の通りマッシュルームの笠を裏返しにして、その上にたっぷりのオリーブオイルを掛けて焼き、出来上がったマッシュルームを、たこ焼きを食べるように、楊枝で摘んで1個ずつほふほふしながら食べるというものだ。中にひき肉と野菜を刻んだものが少し載っているだけという単純メニュだが、これは結構美味い。酒のつまみとしては最高だろう。ただ、オリーブたっぷりと笠のところに溜まるように存在するので、オリーブのために腹もちが高くなってしまうのだ。もう1つの食べ物はクリームコロッケである。ジャガイモ半分、クリーム半分といったところか。日本のコロッケのようにジャガイモたっぷりというものではなく、とろとろしているし、これも食べている間に熱くて火傷してしまいそうになるので注意だ。見た目は全然湯気が出ていないのに、食べるとめちゃくちゃ熱いというのは良くある。ビールと一緒にこれらのつまみを食べるのはとてもいい。やっぱりここが飲み屋だというのが良くわかる。ただ、これで満腹になれるかというと、たいていの人はそうじゃないと思う。個人的にはこの程度の食事で全然問題ない。たくさん食べたい人は、もっと違うところにいくか、または隣の店にはしごして食べに行くというのも良いかもしれない。なぜならここが飲み屋通りだから。

メゾン・デル・チャンピニョン (Meson del Champinon)
Address : Cava de San MIguel 17
Phone : 915596790
Open : 18:00~25:30
Holiday : なし

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