ランブラス通りの東側あるラバル地区(El Raval)は、昼間だと特に気にする必要はないのだが、夜になると少し不気味だ。リセウ劇場(Gran Teatre dei Liceu)からラバル地区に入っていくと、だんだんスラム街に似たような風景が出てくるし、表通りとは全然変わって、あんまり外灯がなくなってくる。このあたりを歩き始めると、自然と歩くスピードが早くなってしまうし、横からナイフを持った強盗が襲ってきても不思議ではないと思う。決して道が狭いわけではない。車が対向できるくらいの広さはあるのだが、暗い道というのが嫌だ。おまけに、このあたりはアジア系の移民の人たちが住んでいるところのようで、行きかう人たちの人種としてはアラブ人かインド人が多い。住民がスペイン人ではないので、このあたりの地元民を相手にする商店も、アラブ系やインド系の店が多いところであり、とてもスペインにいるような雰囲気ではなくなる。顔が黒いインド系に人が、ぬっと小道から出てくると吃驚する。おまけに誰を相手に商売しているのかわからないような立ちんぼの売春婦も結構ここには居る。もちろん人種はインド系かアラブ系。何を言っているのかわからないので、完全無視して歩くのだが、次から次へとやってくるので嫌になる。
そんなラバル地区の中に、この日の晩御飯にしようかなと思ったカタルーニャ料理のレストランであるエル・カフェティ(El Cafeti)が存在する。地球の歩き方に載っている地図を片手に行ったのだが、まったくこの地図が役に立たない。地図の通り行ってみたところ、そのあたりは売春婦の溜まり場みたいなところで、いったいどこに店があるんだよーっと、売春婦に囲まれながらうろうろしてしまった。売春婦たちの行ったりきたり品定めされているのかと勘違いしてきて、なにやらいろいろ声をかけてくるが、まったく無視。体食うより、飯食わせろである。最終的には住所の通り名を頼りに近辺を歩いてみて、ようやく場所を突き止めた。
ちょうど訪れたときには店が開店したばかりなのか、店員が暇そうに表に出て客引きをしていた。スペインで客引きって、なんだか嫌だなーと思ったのだが、ここまできたのだから入ってみることにする。
店に入ると、店が存在する地域がアラブ人が多いからなのかわからないが、内装がアラブ風に見えて、スペインじゃないように思えてしまう。最初は自分達しか客が居なかったが、21過ぎくらいになると、地元のおっさんたちがどかどかとやってきて、酒盛りプラスご飯を食べ始めた。日ごろの鬱憤を発散しているのか、なかなかその飲みっぷりと、喋り方が豪快なのが勢いがある。店員の1人で料理を運んでくれたひともてっきりアラブ系の移民の人なのかなーと思っていたが、店員となんの話をしていたのか忘れたが、話の流れで「スペイン人って、いつもこんな遅い時間に夕ご飯を食べるんだと、ご飯の時間までお腹は空かないのかな?」と何気に聞いてみたところ、「あたしは18時ごろには食べちゃうけどね」とその店員。「へー、やっぱり夜はレストランを開店して、お客さんがたくさん来るから食べる時間が無いからでしょう?」と聞いたところ、「いやいや、あたしはルーマニア人なので、スペイン人みたいに遅い時間までご飯を我慢はできないわ、ははは」だそうだ。ルーマニア人は、日本人と同じような時間帯に食べるようなのだが、働いている人もいろいろな国からやってきているんだなーというのがわかる。ついでに言うと、ルーマニアはラテン語系なので、言葉としてはスペイン語にはとても似ているので、不自由はしないわーということと、結構ルーマニアからの出稼ぎは多いのよと言っていた。思わぬところで、社会勉強をした。
さて、ここで食べたのは下記の通り。・Seafood salad
・Gray fish with garlic mousse
・Noodel paella
あんまり重たいものが食べたくなかったこともあったのだが、いまリスト化したときに、もっとたくさん食べたんじゃなかったかな?と記憶が曖昧になっていることを認識した。
シーフードサラダは刻んだレタスの上に白身魚の身とイクラが載っているシンプルタイプなのだが、こが意外にさっぱりとしていて、これまでの濃いスペイン料理を食べていたから、このあっさりさに久しぶりに触れて胃がホッとした感覚を得た。ムール貝の料理は、ベルギーやフランスのワイン蒸しのようなものとは少し違う。こってりとしたソースの上にムール貝の料理なので、味が濃い。しかし、なんでこのときにムール貝なんか頼んだのか全然分からないのだが、他にたくさん食べたそうなものがあったのに、頭が全く働いていなかったのかなと思う。
ここでのメインは、麺のパエリアであるフィデウアである。スペインに行く前に横浜のスペイン料理屋でフィデウアがどんなものかを試しに食べに行った経験があるのだが、米とは違って麺のパエリアはかなりお腹が張る。見た目は少なそうに見えるのだが、これが実際には結構量が多い。1人で一皿を食べるには少し量が多い。これはシェアして食べるものだと店の人も言っていた。味に関しては濃いわけではないのだが、貝の味が混ざってなかなかいい味だった。エル・カフェティ(El Cafeti)
URL : http://www.elcafeti.com/
Address: Sant Rafael 18
Phone : 93 329 24 19
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