少し遅い時間に行ってしまったことも理由だとはおもうのだが、到着したときには店の中は満員御礼状態の客がいて、どう考えても空きそうも無い。店内はもちろんのこと、四つ角の端にある店は2方向歩行者道路のところにも、即席の机と椅子が所狭しと並んでいたのだが、そこも満員であった。しかし、ここはシンガポールのそれも中華系の屋台が延長してできたような店。客に対するマネージメントなんかできるわけが無い。客も客で、入口はここだという指定の場所があるわけでもないので、どこかに空き席の順番が来るまで並ぶということはまず無い。そんな習慣だから、おとなしい日本人がポカーンと店の外で待っていたとしても、誰も相手なんかしない。ここは強引に店員を捕まえて、自分たちの人数を伝える。店員はそう言われれば空き席を探してくれるし、確保はしてくれる。強引な客は、これからもう立ち上がりそうな客の目星をつけて、その席を確保するために、客の後ろに立ち始めるという方式を採る。これはフードコートで身に付けた技の延長なのだろう。店内と道路沿いの臨時席と二方面で目配せをしておかないと場所の確保をするのが難しい。テーブル席であれば、強引に他の客と合い席にしてしまうという手もあるし、合い席になったほかの客が先に立ち上がったら、そこを自分達の荷物置き場にして、他の客が入って来れないようにしてしまうというのもありだろう。こういう席の確保1つにしても、文化の違いが表れてなかなか面白かった。結局座ったところは、即席テービルのほうのそれも狭苦しいところだった。幸い、左隣に先に来ていた客があっさりどっかにいってしまったので、テーブル上の料理を置くスペースは意外に広くなった。ここではもちろん定番のバクテーである。それ以外は何も注文しない。やっぱりバクテーは美味いなー。骨付き豚肉というものは見た目グロテスクに見えるのだが、これがやっぱり美味い。これを考えた潮州人は本当に食に対して抜け目無いなと思う。しかし、毎度思うのだが、一緒に提供される白米の不味さにはどうして良いのかわからない。世界一うまいジャポニカ米を食べている日本人にとっては、東南アジアで食べられている長細いタイ米種のような粘度の無い白米は、どうも不味いと感じる。炒飯のようにご飯をなにかと一緒に足して炒めるというのであれば、タイ米のほうが美味い。しかし、白米だけという一番シンプルな形で提供されたときには、その不味さと臭さには、少し抵抗がある。毎回おもうのだが、いっそうのこと、バクテーの中に白米をぶち込んで、お茶漬けのようにして食べたいと思ってしまう。あっ、今度それをしてみよう。きっと周りの客は「何をしているんだ、あいつは?」と驚かれるかもしれないが、知ったこっちゃない。
店名:SongFa Bak Kut Teh 松撥肉骨茶
住所:11 New Bridge Road #01-01
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