マドリードの守護神であるサン・イシドロを祀っているサン・イシドロ教会(Santa Iglesia de San Isidro)教会の傍にあり、マドリードの古い町並みの真ん中を通っているカバ・バッハ通り(Calle de la Cava Baja)沿いにあるのが老舗レストランの「ポサーダ・デ・ラ・ビリャ(Posada de la Villa)」である。
こちらの店の開店も他のマドリードの店と同じように夜の8時頃にならないと開店しない。それまでは店に行っても開いていなければ、準備をしている様子も無い。だから、7時半頃にこのあたりをうろうろして開いているかなーというのを確認しても全く意味が無いのである。むしろ、不審者と思われてしまうかもしれないので注意である。開店と同時に店に入ってみると、「もう客が来やがった」という顔をされてしまった。悪かったなー、早く来て!と当然思ったのは言うまでも無い。無駄なのに相手も決まり文句のように「予約はありますか?」と聞いてくる。んなものあるわけない。無くても、席くらいは腐るほど空いているのは、開店前に人が並んでいないのを見れば位置も苦慮然なので毅然とした態度をこちらはする。「ない」と答えると、仕方ないという顔はさすがにしなかったが、2階のフロアーに案内される。これだけたくさん席があるのに、なぜか階段傍のテーブルに案内されるのが気に食わなかった。もしかして、本当に予約席がたくさんあって、いつ来るのかわからないからとりあえずその席は開けているというのだろうか?実際に20時ごろに入店し、22頃まで居たのだが、入店してくる客は21頃からぞろぞろとやってきていたようである。それまで何も食べていなかったのかどうかは良く知らないが、さぁこれから食うぞーというような人たちがたくさん入ってきたのは事実だ。たいていの人は地元の人のようで、店の人も「良く来たねー」と毎度なじみの顔のような客に握手をしていた。リーマン風の人も居れば、隠居寸前の人みたいな人もいれば、あんまり年齢・職業・人種には関係ないようである。
1642年から開業していることを売り物にしているのだが、実は最初からレストランとして開店していたのではないようで、最初は宿兼ご飯提供場というようなスタイルだったらしい。そのうちホテル業は止めてしまって、レストラン一本になり今に至るという。
レストラン自体は何度も改装工事をしているようなので、昔のままのものというのは、大きな石焼き窯くらいしか残っていない。これは厨房の中にあるので一般客はみることができないが、レストランの公式サイトからだったら見ることができるので、そちらを参考に。レストランの内部はやっぱり一流のレストランとしていろいろなガイドに紹介されているからかもしれないが、テーブルセットもきちんとしているし、ウェイターも執事タイプの人が従事していたのは印象が良い。各テーブルに担当者が居るようで、その人以外にオーダーを頼んでも相手にしてくれない。また、2階のところにあるダイニングルームは、中央にウェイター自体が切り刻んだり、盛り付けをしたりするための場所も存在する。ここで食べたのは次の通り。
・牛肉のソーセージ(チョリソー)
・ニンニクスープ (Sopa de Ajo)
・バカラオ(タラ)のグリルにラタトイユ添え
・子羊のグリル
・コーヒー
チョリソーは豚肉ベースではないために、素朴な肉そのものの味がした。脂身が無いステーキを食べている感じがするもので、一気にたくさんのソーセージを食べられるというようなものではなかった。
ニンニクスープはここの店の名物なのだが、これはたまごを上から掛けているので、あんまりニンニク臭いにおいはしない。また、使っている器が可愛いではないか。店のロゴが入った陶器製を使っているのである。タラのラタトイユ添えは、内陸部にあるのになぜか魚の料理という意味不明な組み合わせだったので、これを頼んでみた。白身魚のそれも淡白な味の魚であるために、魚本来の味というのは全くしない。上に載せてあるソースと、添えてあるラタトイユとあわせるとその味が絶妙に美味い。子羊のチップ上にしたグリルだが、これは実はちょっと食べにくかった。なぜなら骨が結構たくさんあって、七面鳥の肉を食べるようにかぶりつくようなものではない。でも、香ばしい味がするので美味しい。ラムだから肉も柔らかいところもいいだろう。口直しに最後はコーヒーにしたが、それを飲んでいる時間帯になって、ようやくレストランに人がたくさんやってくるようになっていた。こんな遅い時間からご飯を食べていて、一体次の日に仕事をすることは無いんだろうか?Restaurante Posada de la Villa
URL : http://www.posadadelavilla.es/
Address : Cava Baja 9
Phone : 913 661 860
Open : 13:00 - 16:00, 20:00 - 24:00
Holiday : Sunday
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