ムーアの城跡に行く場合には、歩いていくことも出来るし、バスに乗っていき楽していくことも可能だ。距離としてはそんなに遠くは無いと思うのだが、なにしろ、王宮からムーアの城跡はめちゃくちゃ坂道になっているので、これを歩いていくひとはかなりウォーキングマニアかまたは坂道フェチ、それか単にぷらぷらするのが好きな人だったらいいかもしれない。が、脚力に自信が無い人はやっぱりバスで移動した方がいいだろう。それも歩いていく場合には、道の途中からムーアの城跡にいくための道がトレッキングコースになっているため、まさに途中からワンダーランドに入ってしまうような感覚である。
トレッキングコースは、たぶんこういうコースをよく歩いているひとにとっては、楽しい道かもしれないが、ただでさえ山登りが嫌いな自分にとっては、なんでこんな拷問のような道を歩いていかないといけないんだろうと途中でイヤになることが何度もあった。ただ、一緒に行った友達もこういう山道も嫌いなはずなのだが、途中に野草や花が観賞することができるので、それを散策することができるから結構気に入っていたようである。ただ、そのトレッキングコースの道はかなり狭いし急な坂道であることはいうまでも無い。しかし、道は意外にガタガタの道ではなく、そこそこ整備されているのは、ここが観光地だからだろう。道が整備されているとはいえ、ハイヒールなんかで来るのは、高尾山をハイヒールで歩くようなもので、きっと地元のひとからバカ扱いされることだろう。
それにしても、このトレッキングコースは、地図らしい地図が途中になにもないので、本当に今歩いている道が正しい道なのかどうかが、何度も不安な気持ちになってくる。こういうところがもっと観光地として整備するべきところだろうとおもうのだが、そのおかげでゴール地点かと思っていたところが、実はバスで乗ってやってきた人たちが最初に出くわすムーアの城跡の入口だったときには、もう倒れそうになった。途中で何度か左右のどちらかにいくような場所がトレッキングコースを歩いていると出てくる。大体の場合が、同じようなところに出てくるようになっており、ただ急な道か緩やかな道かの違いだったりするから、そのまま延長で仕組みが出来ていると思っていたら、最後の最後でやられた。結果的には間違ったところを通ってしまったので、バスでやってきた人たちと同じような行き方をしてムーアの城跡のところにいくことにした。ちなみに、迷ったら「右」を選ぶように。どこの地点かというのはよくわからないが、だいたいが「右」を選ぶといけるのである。
城跡は、途中に城壁の跡が出てくるため、そこからが有料地点。実はバスでやってきた人たちは、道沿いにチケットを買う場所があるので、そこで買えばいいのだが、トレッキングで来た人たちは、途中にチケット売り場と言うのが無いので、城壁跡のところにいったときに、係員が「チケットは?」と問われたときに「持ってない」というと、しぶしぶ管理室みたいなところを通らされて、そこでチケットを購入することができる。みんながみんなバスで来るとは限らないんですよ、全く。それだったら、トレッキングの途中の場所にチケット売り場でも作っとけ!と思った。このサービス精神の無さがポルトガルっぽいということかもしれない。ただ、「面倒くさい」という顔を係員がするのを嫌な顔をしないで受け取ったほうがいい。
さて、ムーアの城跡というのは、名前の通り、このあたりをキリスト教徒の西洋人が支配する前に占領していたイスラム教徒の人たち「ムーア人」がレコンキスタとしてやってきたキリスト教徒たちに立ち向かうために作っていた要塞であるということだ。これがよくできた要塞で、まるで北京郊外にある万里の長城のように、片方向は断崖絶壁になっており、そちらからの攻撃はまず不可能というような境目のところに長い砦の道を作っているということだ。万里の長城と違うのは、逆側の堺は、人間が住むために十分なスペースがちゃんと用意されているところだろう。馬さえも通行ができたという万里の長城よりは断然規模は小さいところなのだが、それでも外敵から守るための砦という意味では十分威圧感があり、そして強固であり、獰猛なレコンキスタを称するキリスト教徒軍も太刀打ちするには難しかったことだろうとおもう。
このムーアの城跡に到着したら、なにはともあれ、サルのように城壁の上にのぼっていくのがまずは先決だ。そうじゃなければ、このムーアの城跡の良さは分からない。たぶん、高所恐怖症の人にとっては地獄のなにものでもないともおわれるが、せっかくここまできたのであれば、高所恐怖症によってお漏らしをしたとしても絶対に一番高い所まで行き、そして、城跡からみえる絶景を見て欲しいと思う。山肌を縫うように吹いてくる風はとても強いのだが、それは地中海の乾いた風なのでとても心地よい。
それにしても、ここの砦の道はとても狭いし、手すりは無いし、ちょっと脚を滑らせたら、そのまま奈落の底に落ちるので、結構歩くのに慎重にならないといけないのだが、当時の人たちはあんまり考えないでこの砦を作ったのだろうか?風が強いので、その強さで足元を滑らせてしまうかもしれないので、歩くのは注意が必要。ただ、日本みたいに湿った環境ではないので、苔が生えていて足がすべるということは無い。
それにしても天気がいいときには、ここからは大西洋まで見渡すことが出来る。もしかしたら、ヨーロッパの最西端であるロカ岬もみえるかもしれない。
そういえば、城壁のところにアラビア文字で書かれた緑の旗がはためいているのを発見。一瞬、サウジアラビアの国旗か?と思ったのだが、ちょっと違うようだ。でも、一体これはなんなのだろうか?もともとムーア人がここを占領していたから、そのムーア人の国旗なのかということも考えられるが、そんな意味を込めて立てているのかどうかは不明である。
ムーアの城跡
URL:Wikipediaの説明
URL:http://www.cm-sintra.pt/Artigo.aspx?ID=2908
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