コインブラの街全体が世界遺産みたいなもんだから、街のどこを歩いても絵になる。そしてコインブラ全体は大学を中心に周りをいろいろな建物があるのだが、この大学自体が高台の上にあるために、なんだか街中から行くと山登りに近い感覚で探索することになる。
最初に出くわしたのは、コインブラの旧カテドラル(Se Velha)であるのだが、ここに到着したときに、カテドラルの前に黒装束のひとたちが大量に屯していて、なにかワイワイとしていた。実はこれ、コインブラの学生たちのようで、コインブラの学生の制服がこの黒いマントみたいなもの。太陽の日差しがめちゃくちゃキツいコインブラで、この黒いマントを制服で着ているのはかなり暑いだろうと思ったらそうでもないらしい。アラブ世界の人たちが、頭から足まですっぽり隠れる服を来ているのと同じで、実はポルトガルは乾燥が激しいところなので、日陰にしたほうが涼しく感じるのだ。アジアの蒸している地域で同じことをしたら、動くサウナになるだけに適さないのだが、乾燥地帯での過ごしやすさを追求したものだろうと思う。
旧カテドラルは正面ではなく横から入ることが出来る。中に入ると、12世紀中期に作られたというだけあって、ロマネスク様式バリバリの建物だから、いかにも昔風の教会だから、派手さは無いが厳かさは相当なものだった。
中でも壁に埋め込まれているタイルが地味なのだが、かなり細かいモザイクを使っており、このときからポルトガルのアズレージョのセンスが高いことを証明しているかのようだ。ただ、教会内は自然光でしかないため、タイルがイマイチはっきり見えないところが悔しい。
正面祭壇のところは奥まったところに天井高く1つの部屋になっているような形になっており、それを天窓と横の窓からの自然光で常に内部を照らすようになっているのだが、内部はすべて彫刻で出来ているという凄さ。彫刻のモデルは12使徒とキリストになっているのでわかりやすい。後年に出てくる、金銀ギラギラした装飾とは全く異なり、なんだかギリシャ彫刻ばかりが展示してある博物館に来ているような趣がある。
内部の側面にある教会の装飾についても、なかなか奥が深い。が、全くといっていいほど人が居ないためのんびり眺められるというのもいいし、装飾されているキリスト関係の像がまた細かいデザインのため、職人の丁寧さが感じられる。しかし、暗いから見難いのが難点。
旧カテドラル(Se Velha)
Open: 10:00 - 17:30
Admission Fare : EUR2.00
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