2011/05/21

クロアタ(クロアチア)

ドイツ語でネクタイのことをKrawatte、フランス語でもcravate、イタリア語でもcravattaという。英語以外のヨーロッパ言語では、全部共通した言葉からネクタイを意味する言葉ができている。その大もとになったのは、「クロアチア人」を意味する「クロアタ(Croata)」という言葉なのである。

クロアチア人とネクタイってどういう関係?というと、いろいろな本に書かれているので、いまさら書くのもおこがましいことなのだが、17世紀に起こった30年戦争に話としては歴史がさかのぼる。クロアチアの地方では、兵士が戦場に出るときに、妻や恋人が愛する人の無事を祈るために、首にスカーフを巻いて送り出したという習慣があった。スカーフを巻くといっても、ぐるぐる巻きにするのではなく、首に巻いて垂らすと言う形式だったのだ。当時の30年戦争でフランス側は、クロアチア人を傭兵として雇っていた。貧乏な地域のところは、金のなる国家で傭兵として金を稼ぐという習慣もこのころにはある。一番有名なのはスイス人の傭兵なのだが、あらゆるところで傭兵として働いていたために、各国の情報を得ることになり、その延長として世界に名だたるスイス銀行というのができあがったというのは有名な話。クロアチア人も傭兵として働いていたところ、ルイ14世の目にクロアチア人のスカーフ姿が目に付いた。そこからルイ14世はは現在のネクタイに繋がるものを作らせたというのが事の起こりだ。

現在クロアチアには、ポトマック社が「Croata」という名前でクロアチアを代表するネクタイやスカーフを中心とした繊維・革製品を展開している。ロゴもネクタイの形を文字に織り込んだものを使っているのでとてもわかりやすい。店舗としてはクロアチア国内に店舗展開しており、ドブロブニクなら旧市街の被聖母昇天大聖堂の傍に、ザグレブならギャラリアの中に存在する。クロアタ名義のネクタイも、世界各地のデパートあたりでも手に入るんじゃないのかなとおもうのだが、これはまだ未確認である。
店内はネクタイだけじゃなく、紳士服に必要なシャツや革製品も用意されているので、本来ならネクタイだけ買いに行ったつもりなのに、あれも買っちゃおう、これも買っちゃおうと思わず手当たり次第買ってしまいたくなるようなものだ。ネクタイ自体もいろいろな種類のものがあり、本当にどれを選んだらいいのか困る。デザインもクロアチアに関したデザインのものがあったりするので面白い。旗をモチーフにしたものだったり、グラゴール文字をモチーフにしたものだったりと、なかなかそのバラエティの豊富さはかなり目を見張るものがある。

今回この店で3本のネクタイを買った。もともと赤系統の色のネクタイが欲しかったのだが、いい機会だったので今回クロアタで全部買ってみることにした。ネクタイ自体はかなりしっかりした記事になっているので、ちょっとやそっとでは伸びたりしない。またネクタイ自体の生地がしっかりしていることで、ネクタイを結んだときにとても格好が良いようにみえるのも頼もしい。クロアタのネクタイが日本でも手に入ればいいんだが、どこか輸入代理店になってくれないだろうか?お願いします。

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