ドブロブニク旧市街では絶対やるべきことの1つとして、ドブロブニクの城壁の遊歩道歩きだろう。この城壁めぐりは、旧市街を囲うように城壁が立っており、その上をずっと歩いて一周できるところである。全長1940m。最高25mの高さまであがることになり、ほぼ全方向から市内をみることができ、途中要塞や見張り塔なども通ることができるので、絶対絶景だ。どこから見ても、オレンジ色の屋根瓦の旧市街、そして場所によっては青いアドリア海が見えるのは、そこにいるだけでもう大満足だろう。
ドブロブニクの城壁めぐりの入場料は70HRK。ピレ門から入った場合には、ピレ門右側のところに入場券が売られているので、そこで買おう。ドブロブニクカードを持っている人は、別にそこで買う必要はない。買ったら、今度はピレ門の左側にある、いかつい兄ちゃんが立っているところに行く。そうすると城壁に上がる階段が見えてくるので、そこを揚がっていよいよ遊歩道を歩いてみよう。城壁を歩いていると思うことが、よくもまぁここまで頑丈な城壁を作ったものだと感心してしまうということだ。ドブロブニクはどこの国に支配されても、その独自性だけは絶対に保とうと思っていた。つまり、周りに強国がいる場合、その攻撃から守るために城壁を常に補強してきたということだ。市民たちも城壁と城塞の建設のためには、資金と労力を惜しまなかったというのはよく理解できる。こんだけ小さな町なのに、ここまで巨大な城壁を作って、平和な時代でも過剰なまで警備と町としての独立を保つための努力を怠らなかった過去のドブロブニクの人たちに敬意を払いたい。ピレ門の入口からあがったら、まずはまっすぐ伸びたプラツァ通りを見下ろすことができる場所からの風景を見るのが一番いいだろう。この遊歩道を歩く前に、実は先に地上でひと通りの様子をみたあとに、城壁めぐりをしたほうが絶対いいだろう。まっすぐ伸びた通りは、先に「プラツァ通り」のところでも記載したとおりに、通りを挟んで海側と山側でもともと別れていたところだ。遊歩道は反時計回りに廻るようになっている。ピレ門から入った場合にはそのあと海側に向かって歩いていくことになる。海沿いを歩いていくと、この城壁が海のぎりぎりのところまでせり出て建てていることが本当によくわかる。たまに市内のほうに眼をやってみると、ドブロブニクに普通にすんでいる人たちの中庭が見えちゃったりするから、中に住んでいる人にとっては、「何見てんだよー」と思うに違いない。ただ、もう1つ思うのは、クロアチアの独立戦争時に破壊された家がそのまま放置状態でいるところがたまに見られるところだろう。表向きには綺麗に着飾っていたとしても、内面的にはもう内戦から20年も経過しているとはいえ、まだまだ傷跡は残っているようだ。
そして完全に海沿いを歩いていて、海側を覗いてみると、城壁のさらに海側に見晴台兼カフェになっているところがたまにあったりする。よくもまぁ、こんなところにカフェを作っているなーとおもっていたのだが、実はここ、カフェ兼海水浴場なのである。海水浴場というと、広い砂浜が目の前にひろがっているところを想像するものだが、実はドブロブニクの人にとって海岸というのは、こういう崖になっているところが海岸であり、よくドブロブニクの海水浴として紹介されている砂浜のところは、あれはほとんど外国人しかいないような場所である。さらにどんどん進んでいくと、海に向かって聖ヴラホが壁に掲げられているのが見ることができる。ドブロブニク全体が聖ヴラホで守られているんですよというのを象徴するようなものだ。もちろん、海からの攻撃に対して反撃ができるように、城壁の上を歩いているところには、たくさんの大砲が置かれているがわかる。もともとは、遊歩道として使っている現代のところは、海からの攻撃に対して反撃するための人たちが、海からの様子を見るための通り道として作られたものであるというのがよくわかるものだ。聖イヴァン要塞からポンテ門にかけては、旧港が見える場所なので、絶対写真を撮るにはポイントとして良いだろう。たぶんここからの写真がガイドに載ることも多いはず。途中猫の溜まり場みたいな場所を通るのだが、そこからも実はこの城壁に上ることができる。ちょうど海洋博物館に入る道の手前にある。旧港を上から眺める形でアドリア海をみたあとは、徐々に聖ルカ要塞のほうに向かって歩いていってみよう。そのときには、港の様子も下から見た風景よりも上から眺める景色もまた格別。聖ルカ要塞を抜けると、今度は市内のオレンジ屋根がたくさん見る風景に出くわす。この風景をみるために、遠いところからドブロブニクにやってきたんだというのが感慨深くなる。ここを歩くときには、ちょうど山側になるからか、少し坂道を上るような感じでだんだん遊歩道が高くなっていく。そして、ミンチェタ要塞にいくまで上り道になり、そこが最高点になる。海の風景も素敵な遊歩道なのだが、個人的にはこの聖ルカ要塞から聖ミンチェタ要塞までの遊歩道からの眺めが好きだ。スポンザ宮殿の時計台も良く見える。ここからだと、鐘付きの2体の銅像の様子も見ることができる。それから、聖母被昇天大聖堂の丸い屋根も綺麗に見える。この屋根はブルーなので、他の家の屋根がオレンジであるから正反対の色であるため良く目立つ。沖にあるカセ島も含めたドブロブニクの旧市街と海の総合写真をとるのであれば、是非ミンチェタ要塞からの風景を写真に収めて欲しいと思う。
ミンチェタ要塞からピレ門は、くだりの遊歩道になる。途中、市内側に学校のグランドがあり、そこにはサッカーグランドがあったりするのだが、このグランドからボールが落ちた場合、絶対そのボールはもう二度と日の目を見ることはないだろうという場所にグランドはある。急いで歩いても1時間くらい。のんびり歩いていると2時間くらいはゆうに掛かる遊歩道。天気がいい時には是非挑戦して欲しいと思う。万里の長城は周りがなにもない自然のところに立っているため、自分が足を踏みしめている場所だけが重要地域であるが、ドブロブニクの場合、同じような遊歩道だとしても、歩いているところは、目線を変えるための単なる土台であり、見える場所はどこを見ても絵になる場所だということが言えるだろう。絵を描いている人がいてもいいと思うのだが、残念ながらこの日は遊歩道で絵を描いているには出くわさなかった。絵描きとしては題材に使いたい場所だと思う。
城壁の遊歩道
Open : 8:00 - 18:00
Fare : 70HRK
Holiday : なし
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