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そのとき、クロアチアの政治情勢はどうなっていたかというと、政治不安定状態になっており、クロアチアの若者がザグレブに集合して政権交代要求のために大規模デモを行っていたときである。時に3月12日。18時から3時間かけて街中をデモ隊は、横断幕を広げて、太鼓を叩きながら、シュプレッヒコールをあげていた。こういうのはたまに日本でもみかけるのだが、よくあるデモ行進であるといえよう。しかし、日の丸が掲げられた日本大使館に差し掛かったところでデモ隊が停止。後続の人たちから「なぜ止るんだ!」という罵声が出てきたのだが、それもすぐに情況を把握する。デモ隊は被災者に向けて大使館前でろうそくを灯し、被災者に対して黙祷を捧げることになる。
これはとても感動的な出来事なのだが、ほとんど日本のメディアでは取り上げられなかった。アメリカばかりしか見ていない日本では、ヨーロッパの出来事なんか全く無視して報道しているからである。ネットでこの情報を見たときには、クロアチアのひとたちの政治運動よりも人道的な運動のほうを優先した心意気に対してかなり感謝の気持ちが出てきたのは言うまでも無い。クロアチアの人たちにとっては、日本大使館しか日本と接することができるものがないために、日本の象徴としてこの大使館が使われたのは言うまでも無いだろう。
デモの様子については、Youtubeでも残っているので、そちらのほうをご覧になられるといいかもしれない。
クロアチアの新聞記事はこちら
上記のサイトに日本大使館でろうそくを灯している様子も見ることが可能。
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