2011/05/21

トカルチチェヴァ通り(ザグレブ)

トカルチチェヴァ通りは、カフェやレストランがたくさん並んでおり、ザグレブで何か食べたいとおもったときに、まずこの通りに来れば何か喰えるというくらい食べ物屋ばかりが並んでいるところだ。そして、くねくねーとちょっと通りが曲がっているところも、また散策するには楽しいとおもうようなところなのであるが、天候の良いようなときだと、この通りまでテーブルとパラソルと椅子が並べられ、オープンカフェスタイルで楽しめる通りでもある。パリのような自動車がバンバン走っている通り沿いだと、排気ガス吸いながらご飯食べるなんて気持ち悪くて仕方ないとおもうだろうが、この通りは基本的には歩行者専用道路。だから、関係者車輌以外はまず普通の車は入ってこない。だから、小さい子供が勝手にうろちょろしていても、全然平気なくらいである。しかし、この通りにも歴史があるようで、もともとは、この通りを挟んで聖マルコ教会があるグラデッツ側と、青空市場があるカプトル側で違う街だったし、その境をメドヴェシュチャック川という小さな川が流れていた。両方の街はこの小さな町を水源としてたびたび抗争をしていたようだが、ザグレブの街がグラデッツとカプトルが合併したことによってできたことで、この小川自体を埋めてしまって、通りにしたというのが今のトカルチチェヴァ通りの歴史である。

道に歴史ありとはこのことだ。まるで、裏原宿にあり、いまKiddy Landが並んでいる裏道も以前は川だったのだが、それを埋めてしまって道路にしてしまっているのと同じである。

道路のマンホールをみると、ザグレブの市章にもなっている3つの塔のあるデザインが見受けられる。そして、特になにも囲われていないのだが、傘を持った女性の銅像が突然出てくる。この人の名前はマリア・ユリッチ・ザゴルカ(Marija Jurić Zagorka)。クロアチアの新聞記者であり文学者である貴族出身の彼女は、クロアチア初の女性新聞記者として、女性の地位向上のために戦った人物。ラブストーリーとクロアチア史を融合したような小説は、庶民に大変愛されたようだ。ザグレブの魔女迫害について書いた「グリチカ・ヴィイェシュティツァ(Grička vještica)」はクロアチアえも有名な小説のひとつ。この彫刻の銅像は、1991年に彫刻家のスティパン・グラちゃんが彼女のために記念碑として立てたものだ。

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