2011/05/21

ヴィノドール(ザグレブ)

クロアタで数本のネクタイを買ったあとに、そのまま夕御飯に出かけたが、あんまりクロアタから離れたところにいくのも面倒くさいので、事前にクロアタの店から近いところで選んだのが、「レストラン・ヴィノドール(Restoran Vinodol)」である。入口は店らしい窓口ではなく、どこか中庭に行くんですか?というようなところが入口。その入口の看板も、これまた目立たない薄めの色のネオンサインになっているので、客が来て欲しくないのか、それとも、一元さんお断りとでも言わんばかりの構え。どこかの観光地だったら、「いらっしゃい、いらっしゃい」と呼び込みでもするんだろうが、この店は奥まったところにあるのに、まったく呼び込みなんかするつもりもないらしい。さて、他人を拒むような中庭に続くような入口を入っていくと、すぐその通路にソファ類が用意されていて、何の人たちだろう?と一瞬怯む。実はレストラン・ヴィノドールはカフェも併設されていて、通路のひとたちは、そのカフェでお茶やアルコールを飲んでいる人たちなのである。非常に紛らわしい。

そんなソファ族の人たちを横目にさらにどんどん奥に進んでいくと、本当に中庭みたいなのが広がる。そこがヴィノドールの食事をするところであり、いちおう「アウトドア」の部分に該当する。寒い場合にはインドアのほうもある。いつもこのようにインドア/アウトドアの2種類があった場合には、迷わずインドアのほうを選ぶのだが、このときにはなにを血迷ったのか、アウトドアのほうを選んだ。特にこの日は気温が低い日というわけでもなく、暑くもなく、日差しが強いわけでもないという、「ないない」尽くしだったので、なぜか頭の中でアウトドアを選んでしまったのだろう。今思い出しても「???」である。店内を見回すと、ほとんどの客がインドアのほうではなく、アウトドアのほうばかりを選んでいる。そんなにアウトドアのほうがすきなのだろうか!?後から後から入ってくる客がみんな室内に入らないで、外の席に座る。一番印象深かったのは、ザグレブの大学に留学している学生らしいひとと、日本の大学で世話になった先生を招待して食事に来ていた2人組。先生のほうがビール等をいっぱい飲んでしまったみたいで、さっさと酔っ払ってメインの御飯が来る前にテーブルで居眠りが始ってしまったという光景を見てしまったところ。たまたま、目に入ったのが日本人だったので、へー、日本人だーと見ていたので機になったのである。

さて、実はあんまりがっつり頼みたくなかったので、軽い物ばかりにしてみた。この店で頼んだ料理は下記の通り。

・パン(Kruh Mala Kosara) : 10HRK
・クリームソースのラビオリ(Domaci Siroki Rezanci s pr) : 52KRH
・ザゴルイェ地方風のスープ(Zagorska Juha): 26HRK
・肉の盛り合わせ(Mijesano Meso) : 73HRK
・子羊のカツレツ・ザグレブ風(Zagrebacki Teleci Odrezak) : 78HRK

まずはメインに行く前に腹に入れようと思ったのが、軽いパスタとスープ。ザグレブの北部にある地方のザゴルイェ地方でよく食されているスープを頼んでみた。パスタのほうはクリームソースたっぷりで、中に肉が入っているラビオリとうまく絡めてある。スープは牛肉のスープに近い味がする。色はトマトスープのような色をしているのだが、たぶんこれはパプリカだろう。ハンガリーのグヤーシュに似たようなスープだ。パンが勝手にくっついて来るのは良いとしても、これ、別途料金を取られるものなので、要らないのであれば「要らない」というべきだが、それでもやっぱりパンは必要だと思う。パンに余ったソースをつけて食べたりすると、別の食べ物に感じたりするからだ。

メインのうち、子羊のカツレツについては、皿が運ばれてきたとき、すごい細長いコロッケか?と思ってしまった。しかし、実際にナイフとフォークで中身を切ってみると、実にジューシーな肉が衣をつけて揚がっている様子がよくわかる。マトン肉ではなくラム肉なので、肉自体が柔らかいし、肉臭い味は全くしない。そうなると、肉料理は美味しく感じる。肉自体に味がついているのか特にこれにソースをつけて食べる必要がないというのもなんだか不思議だ。付け合せのポテトをすりつぶしたモノが邪魔くさいとおもうのだが、これもあり合わせとしては良いアクセントになるとおもう。肉の盛り合わせは、料理として素材が複雑だ。ポークチップ、ケバブ、伝統的なソーセージのフライ、ハンバーガー、ミンチの肉、それぞれがごっちゃまぜになったような料理。でも、調理されてテーブルに運ばれてきたときの皿の上は、そのミックスされた肉の乱交状態は、まったく異質のものではなく、あたかもどれも同じ肉でできたもののように見えるから不思議だ。味は想像の通り。肉らしい肉料理。日本の肉料理のように脂身を多く使ったわけじゃなく、むしろ、肉の重要なほうばかりを選んで使われているようなものなので、肉臭いと言ったほうがいいだろう。これがまた美味い。この店でデザートでも食べようかと思ったのだが、もう肉ばかりの料理で結構おなかがいっぱいだったので、この晩はこれで終了した。でも、コーヒーくらい飲んで帰ってもよかったかなーという気がする。

Restaurant Vinodol
URL : http://www.vinodol-zg.hr/
Address : Tesla, Zagreb 10000, Croatia
Phone : +385 1 48-11-427

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