2011/10/09

センテンドレへの船旅

センテンドレに行くにはドナウ川から船で行くか、郊外電車のHEVのどちらかに乗っていくことができる。せっかくドナウ川という観光名所があるんだから、行きは船で行くことに決めた。

ブダペストから出発する船の発着場は、ドナウ川に当然面しているのだが、行くのには実はとても不便なところである。一番の絶景ポイントにあるのだが、なにしろ、船着場と路面電車の間に走っている道路を渡らないといけないのに、その道路を渡るための信号が近いところに無いからである。マリオットホテルの隣りにあるヴィガドー広場(Vigado Ter)の前の川に面したところにあるので、いちおう解りやすい。
船着場は特に待合室など無い。切符売り場と雨風しのぐような小屋があるだけである。切符は窓口のおばちゃんから買うことになり、ひとり2235HUF。出発は10時半の1本だけ。これを逃したら船でセンテンドレに行くことはできない。だから、近距離旅行でセンテンドレに行こうと思っている人で、船で行こうと思っている人がたくさんいるんだろうと思ったから、早めに切符を買い、早めに席を確保しておこうかと思うのは当然だった。あまりにも気合が入りすぎてしまい、9:30には船着場に到着したのだが、まだ船も来ていないし、出発15分前にならないと乗船できないようだったから、とりあえず、その間は廻りを散歩することにしていた。乗船時間になったので船に乗り込んでみる。事前に買った切符を船員に見せて改札なのだが、そのあと、1階は室内のリラックスシートで、2階は遊覧船にありがちな左右窓無しのプラスティック椅子である。今日は天気がいいし、川の上を涼みながらいくのもいいなーとおもったので、誰も乗り込んでいない船の2階席にとりあえず陣取ってみた。前日に、夜間のドナウ川ツアー(?)が大失敗だったので、そのリベンジに値しようと思っていたからだろう。

やっぱり出発寸前の時間が近づいてくると、たくさんの人たちが乗り込んできた。ツアー客ではなく、だいたいが個人客であるようだった。子供づれもいるし、カップルもいるし、いろいろな種類のお客さんが乗り込んでいたのはいいのだが、その中でも気になったのは香港人の親子4人組だ。こいつらの身なりがまた汚らしいということと、これだけ混んでいるのに、2人がけの椅子のところを、各人がすべて一番外側に座って写真を取り捲っていた。だいたいバラバラに座って、好き勝手な行動を取るのが中国人や香港人の行動パターンなのだが、ここでも例に漏れずだった。そして、落ち着きが無い。1度席に付いたと思ったら、そのまま同じ席に座ってなく、頻繁に席を替える。こんなにあちこち席を替える馬鹿は他には居ない。目障りだし、他の西洋人観光客からみると、同じアジア人なので仲間じゃないのか?と思われているんじゃないのかと思うと、ちょっと嫌な気分になる。
船は出発して、くさり橋をくぐると、左にブダの王宮が見えてくる。そして、次に国会議事堂と、やっぱりドナウ川からブダペストの街並みをみるのは楽しいと思ってくる。しかし、150度に曲がっている、世界でも珍しい橋のマルギット橋を潜り、左側にかつての狩猟地になっていたマルギット島(Margitszigt)が見えてくること、ここからは本当につまらない景色になってくる。だんだん建物らしいものが見えなくなってきて、別荘地みたいなところや単なる森ばかりが見えてくるので、飽きてくるのである。そして、昼近くになってきているのに、長くドナウ川の風を浴びていると涼しくなってきてしまうということも感じられてきた。景色がつまらないからといっても、なんとなく眠くならないのは毎日がっつり寝ているからなのだろうか?つまらないなーとおもったら、風が当たらない1階席に座ってのんびりしているほうがいいだろう。ちなみに、1階にはトイレもあるし、売店もある。温かいコーヒーも飲めるし、暑いときにはビールが飲めるので、そこで購入するのがいいだろう。ちなみに、ここで売られているホットコーヒーは300HUF。しかし、日本で考えるようななみなみ注がれたコーヒーを想像していると「これだけ?」と思うだろう。
途中に経由する別荘地みたいなところを通過するときに、川に面したところで水浴びや水上スキーをしているひとなんかも見られることができるので、それを船から凝視するのもいいだろう。
1時間半の船旅も終盤に近づいてくると、左側に街並みが見えてくる。そうなってくると、もうセンテンドレに到着する寸前である。センテンドレの船着場は、もっと洒落たところなのかとおもったら、本当に地味な船着場。しかし、到着した途端に、その船に乗って別の場所に行こうとする人たちが待っているようで、船着場がめちゃくちゃ混んでいたのにはびっくりした。しかし、こんだけ船に乗ってどこかにいこうという人たちがたくさんいるということは、それだけ船に乗りたいと待ち焦がれているんだろう。その楽しそうな顔を見ていると幸せな気持ちになるのは不思議だ。天気が良いとこの90分の船旅は楽しいものだと思うが、雨が降ったら、2階席なんか最悪の状態だろうと思う。特に船は揺れるわけでもないし、川だからといっても、日本の川のように急流になっているところがないので、のんびり時間を気にせずに旅を満喫できることだろう。なんとなく下船するときに、心残りに感じた。

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