今回の渡航でこの建物には入らなかったのだが、実は他にいく場所の候補がないときにいこうと思って行かずじまいになっていた建物がある。それはアンドラーシ通り沿いに存在する少し変わった作りの建物であるが、ハンガリー国民なら誰もが泣いて跪いた組織があった建物「恐怖の館(Terror Haza)」である。
この建物、第二次世界大戦中は、ナチスに従うハンガリー矢十字党(Nyilaskeresztes Part-Hungarista Mozgalom)の党本部として使われていた場所であり、戦後はハンガリーの秘密警察機関であるハンガリー国家警察・国家保衛部(Magyar Allamrend?rseg Allamvedelmi Osztalya, AVO)、2年後に組織化された、内務省・国家保衛庁, (Belugyminiszterium Allamvedelmi Hatosaga, AVH)の組織本部ビルとして使われていたものである。場所が「アンドラーシ60番地」にあったことから、これらの組織の通称が「アンドラーシ60番地」といわれるようになり、本部内部で行われていた残虐なやり方から「アンドラーシ通り60番地の国家警察は、生と死を意のままにあやつる。」とまで言われた。
ハンガリー動乱以降は組織の存在自体を解体してしまったので、恐怖の組織はハンガリーにはなくなった。そこでその残虐な歴史を残そうとしたことから、この建物がそのまま使われ、中にはこれまでの資料や出来事や使われた道具の展示が行われているようである。
こんなに楽しそうな場所はハンガリーでは他には無いと思ったのだが、一緒に旅行したひとが「嫌だ」とかなり抵抗されたために行かずじまいになってしまったのが残念だ。人間、いかに残酷なことができるかというのは、物的証拠を残すのはとても難しく、だいたいの場合が風化するか、もしくは言葉だけ先行してしまって、妄想誇大な事象として残ってしまったりする場合がある。それを制御すると言う意味でもなにかしらの証拠があるほうがいいだろう。できれば、動く映像で残っていたほうがよく、写真などの静止画の場合には如何様にも修整や捏造ができるのであまりよろしくない。とはいえ、なかなか現代に近い時代にならない限り動画資料が残っているとは思えないからだ。
恐怖の館(Terror Haza)
Adress : Budapest VI, Andrassy ut 60
Open : 火ー金 10:00-16:00
土日 10:00-19:30
Admission : 1500HUF
Audio Guide : 1300HUF
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