郵便博物館(Postamuzeum)は、地下鉄M1号線でデアーク広場の次の駅であるバイチ・ジリンスキ通り駅(Bajcsy-Zsilinsky ut)の目の前にある。しかし、建物は普通の通りに面したアパートにしか見えないために、一体どこに博物館があるのか?とおもうのだが、通り沿いの建物の目の前にポストが立っているので、建物自体はわかる。さて、入口はどこか?というと、これがまた難しい。普通はビルの入口は閉じている。さらにいうと、その入口は好き勝手に入れない。ドアを押しても引いても開かない。それもそのとおり、郵便博物館というのは名前はそうなのだが、普通のアパートの一角を博物館にしているのである。つまり、一般住民がこの建物の別のフロアには住んでいるため、通常はアパート住民しか入ることができないのだ。じゃぁ、普通の観光や郵便博物館に行きたい人はどうするかというと、入口の一般住民が住んでいる場合の呼び出しと同じように、呼び出しベルを押してドアの施錠を解除してもらう必要があるのだ。
最初、その方式が全く解らず、郵便博物館に来たのはいいが、ドアが開かないので、「もう閉館したんだろうか?」という勘違いをした。別の日に行ってみると、たまたまこの建物に入ろうとする人がいたので、そのひとと一緒に建物に入ることが出来た。実はそのひと、博物館の従業員だったので、本当にたまたま入ることができたということだ。
建物の三階フロアは全部博物館になっているのだが、これがまた結構広い。もともとは、ここに住居していたハンガリー貴族のものだったのだが、それを寄付によってここが博物館として営業はじめたということのようである。
博物館としてはハンガリーの郵便・通信の歴史を郵便スタートから始まったときから展示があるので、かなり楽しい。
まず最初に郵便局のカウンターから始まる。カウンターは日本の郵便局のカウンターととてもよく似ているので、わかりやすい。展示だからかもしれないが、カウンターの後ろには絵画や電話ボックスのようなものまであったりする。これもすごい面白い。特に電話の交換機能まで展示されているのはすごい。機械式ではなく、むかしのとおり、交換台のひとが通話の両端を結ぶという役割をするものがあった。郵便局の配達員の様子も服装や肖像画を通して当時のことがわかる。別の部屋に行くとここの持ち主だった人のリビングルームにやってくるのだが、そこには持ち主の肖像画が飾ってある。それと同時に郵便に関する展示物もあるので、郵便オタクのおっさんの家に来ているような感覚になってしまう。この違和感がいとをかし。近代になってくると郵便のほかに通信が郵便の中に入ってくるのだが、そうなると電報や電信というのが普及してくる。ちょっとおもしろいなーとおもったのは、タイプライターが発明される前のタイプライターもどきの機械として、ピアノの鍵盤のようなものを使って、タイピングをしていたものがあった。一瞬ピアノじゃん!とおもってしまったのは不覚だ。ハンガリーの郵便はきっとオーストリアの郵便事情から始まったのだと思う。ウィーンを中心としたハプスブルグ帝国は郵便によって地域内の事情を隅々まで知りえた手段として利用したからである。ハンガリーもオーストリアに飲み込まれたことにより、オーストリアと同じ制度を使っていたことは想像されるのだが、マジャール語の説明しかないので、ちっともよくわからない。
吃驚したことがある。帰り際に記念切手がカウンターに飾ってあったので、「これ、切手かなー?」と友達と話をしていたら、カウンターの女性が「切手ですよー」と綺麗な日本語で言ってきたので、一瞬、自分がマジャール語が理解できたのかと勘違いしてしまったのだが、実はカウンターにいた若い女性は日本語が堪能な人。これまで全く日本語はもちろんながら英語の説明さえもほとんど無かったので、詳しいことを知りたいなとおもっても手段がなかったのだが、この女性が暇だったら解説してもらってもよかったかもしれない。郵便博物館 (Postamuzeum)
URL : http://www.postamuzeum.hu
Address : Andrassy ut 3
Phone : (1) 269-6838
Open : 10:00 - 18:00
Holiday : Monday
Admission Fare : 500HUF
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