2011/10/09

HEV(ブダペスト)

ブダペストの郊外電車HEVは、その名のとおり、ブダペストと郊外を結ぶ路線としてかなり便利な鉄道である。センテンドレは先にも述べたドナウ川を伝って船で行く方法もあるのだが、1日に往復一便しかないのでとても時間的には制約がある。しかし、HEVは頻繁に運行しているので、気が向いた時間に利用するというのにはとても便利な鉄道である。HEVの時刻表はこちらを参照。

HEVを観光客として利用する一番使われる路線としては、自分たちが利用したセンテンドレに行く路線と、シシーが使っていた宮殿のグドゥルーとを結ぶ路線だろうと思われる。いずれにしても、地下鉄の駅と繋がっているため、ブダペストの市内ではHEVの始発駅に行くのはとても簡単だと思う。

HEVを運行しているのは地下鉄やバスと同じブダペスト交通局であるため、ブダペスト市内までの運賃は共通だ。24時間パスや72時間パスを利用している人がいるなら、HEVに乗るときに特別に運賃を払う必要はない。ただし、それはブダペスト市内までの移動であればという条件付。ブダペストを離れてしまって、たとえばセンテンドレまでいく場合には、その路線におけるブダペストの一番端駅からセンテンドレまでの差額運賃は払わないといけないことになる。

車内は頻繁に車掌が行き来しているので、差額運賃はそのときの検札の際に支払えば良い。逆に言うと、このとき切符を持たずに乗車した場合には、乗車地点から最終目的地までの運賃を全額払う必要になる。そんなに普段から混んでいるわけじゃなく、車掌も1列車に複数人乗っているので、誰がどこから乗ってきたのか、そして誰を検札済なのかは全部わかっているようなので、ごまかしは効かないことは注意である。

今回はセンテンドレからブダペストに帰ってくるときにHEVを利用したのだが、蒸気のように講釈をたれたにも関わらず、あんまり考えないで、センテンドレの駅で、センテンドレからブダペストのバッチャーニ駅(終点)までのフルコース料金を払ってしまった。本当なら、なにも払わず車両に乗り込んで、あとからやってくる車掌に差額運賃を払えばよかったものなのだが、ハンガリーフォリントがあまりにも激安になっている現在では、そんな差額運賃はハシタ金にしか思えないので、どうでもいい。

HEVの車両は緑色のカラーリングを基調としたボディーであり、内部は4人がけ向かい合わせボックスシートを中心とした座席になっている。昔の東海道線ボックスシートのようなものだ。そして、車両間の行き来はできない。だから、車掌がきたときに、次の駅に到着するまで無賃乗車のひとは逃げ場を失ってしまうのだ。車掌も、駅に到着するたびに違う車両にいちいち降りて移動するから大変だろうとは思う。ちなみに、車掌は、マジャール後、ドイツ語、英語の3ヶ国語は普通にしゃべるようだ。しかし、一度検札をした客に対しては二度検札をするようなことはしない。彼らもプロだ。
車内は駅に到着する寸前に「次は○○駅~」というアナウンスはいちおうする。が、男の人の声でアナウンスされるため、車内の騒音が結構あるこの電車としては、何駅に到着したのかは正直ぜんぜんわからない。そのときには、駅に掲げられている駅名を確認するしかないだろう。しかし、日本の駅のように、柱という柱に駅名が記載されているような親切心は全く無い。
センテンドレからバッチャーニまでの路線では、どちらかというと進行方向に向かって左側が良いだろう。というのも、途中からドナウ川沿いに電車は走るので、川の景色がきれいだからである。基本的にはこの路線は田舎と結ぶ線であることは変わりないので、田舎の風景が嫌いな人にとってはとても面白くない車窓だとは思う。しかし、それでも地下鉄のような真っ暗なところを走っているわけじゃないので、昼間の田舎の車窓を見るのはそれだけでも楽しいものだろう。センテンドレからバッチャーニ広場までの35分間をご堪能あれ。

HEV時刻表(ブダペスト交通公社内)
URL : http://www.bkv.hu/en/suburban_railway_schedules

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