2011/10/09
ブダペスト旅物語
渡航前に、ブダペスト全般の情報を知るには、他の都市に比べてそれほど書籍が出ているわけじゃない。地球の歩き方は、あくまでもここにこういう建物がありますよーとか、ここにレストランがありますよーという、観光客が観光するのに特に困らない程度の情報が載っているだけである。それも地球の歩き方くらいなら情報がそこそこ載っているが、一般的なガイドブックでは、だいたいブダペスト単独で載っているわけではなく、オーストリアのウィーンとチェコのプラハを一緒に載せて、少ない情報しか載せていないというのを見せないようにしているのがほとんどだ。
そんな中で、ブダペストの歴史的建築物の歴史の流れや文化的背景もそうだし、時代の流れをハンガリー建国から現代にかけていろいろなジャンルに分けて記載しているガイドブックに該当するような書物はなかなかお目にかかれない。しかし、無いことも無い。一番有益なのは、やっぱり「ブダペスト旅物語」を外せない。このガイドブックは、豊富な写真と、エリアごとに分けられた説明を、本を読んでいるだけなのにまるでその場所にいて、実際に歩いているような流れる文章で説明しているところに特徴がある。事前に読んでいれば、模擬散策を本の中でブダペストの街中をあるけるので、実際に地について歩いていても、その復習を体験することに等しくなるから、かなり記憶に残る旅行になること間違い無しだ。
この本の中では、レストランだと何を食べろというのを記載しているわけじゃない。だから、ブダペストで何をしたらいいのかまったく分からないという人には全く役に立たないガイドブックだ。ブダペストで何をするべきか、なにを観るべきかというのをヒントとして教えてくれるサポータである。そのサポータとしての情報量というのがとても豊富だ。特に歴史的背景に関することと、着眼点というもの。たぶん、建物を見ても普通なら見落とししてしまいそうな点をこのガイドブックでは「こんなことがあります」という点で紹介しているのは、じっくり探索するという人にはとても有益だ。時間が無いから、詳細はガイドで確認するというひとには全く役に立たない。
とにかく写真が豊富。カラー・白黒があちこちに埋め込まれているので、地図をみてもよくわからないなという場合でも建物の写真がたくさん載っているからその写真から推測するのはかなり簡単だと思う。あと、地球の歩き方だと、たった3行くらいしか載っていないような内容を、数ページにかけて説明しているという点でも、地球の歩き方の補完本としても利用するのはいいだろう。
ショッピングやレストランの情報は、老舗なら変わる事は無いが、だいたいは街並みが変わるのと同時に変わっていくのも当たり前。この本はそういう一般的なガイドブックではないので、いつの時代に訪問をしても変わらないような場所の説明しか載っていないからこれも有り難い。是非、ブダペストに行く予定があるひとは買って読むべきものだろうとおもう。
ブダペスト旅物語
著者:外山 純子
単行本: 207ページ
出版社: 東京書籍 (2006/04)
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